
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表兼制作者、中小企業診断士の井村淳也です。
経営者の方とお会いするたびに思うこと。
いかにして人材を確保し、また、長く自社で育てていくのか。
その仕組み作りは永遠のテーマであり、常に悩みの種でもある。
――これは診断士として多くの現場で痛感することです。
こちらは私が中小企業診断士として代表を務める、ソング中小企業診断士事務所のホームページです。

新入社員のオンボーディングは、単なる研修やマニュアル提供ではありません。組織に早く馴染み、仕事に自信とやりがいを持ってもらうためには、最初の数週間〜数か月で「この会社で頑張りたい」と思える経験を届けることが不可欠です。
しかし多くの中小企業では、オンボーディングが形式的になり、業務手順の説明に終始してしまいがちです。その結果、新入社員は「人として歓迎された」という感覚を得られず、早期離職やエンゲージメント低下につながるケースも少なくありません。
診断士として数多くの組織課題に向き合ってきた経験から言えば、オンボーディング成功の鍵は “感情の共有” にあります。初めて出社した日、仲間からの歓迎の言葉、会社の理念に触れた瞬間──こうした感情の記憶こそが、社員のエンゲージメントと定着率を左右します。
本記事では、中小企業診断士の視点と音楽活用による実践例を交えながら、オンボーディングで感情の共有を重視する理由と、具体的な仕組みづくりの方法 を解説します。
この記事を読むことで得られること
- なぜ“手順中心”のオンボーディングが早期離職を招くのか、その原因と構造が整理できます
- 感情の共有・心理的安全性・理念/ストーリーを核にした実践法(歓迎の儀式・物語セッション・音楽/映像活用)がわかります
- 明日から始められる最初の一歩(初日の設計・交流機会・3か月指標での運用)が明確になります
まず結論:オンボーディングは「業務の教え込み」ではなく、初日から感情を動かし心理的安全性と理念への共感を設計する“定着の土台づくり”です。
新入社員オンボーディングの落とし穴:手順だけで終わる企業の課題
マニュアル中心のオンボーディングが人材定着に失敗する理由
オンボーディングを「業務のやり方を教える期間」とだけ捉える企業は少なくありません。確かに業務フローやシステム操作は必要不可欠ですが、それだけでは社員の心には残りません。人が組織に定着する理由は、「仕事内容が理解できた」ことよりも、「ここで働きたいと感じた」ことにあります。診断士として現場を見てきた経験では、業務説明中心のオンボーディングは早期離職を防ぐどころか、“仕事のやり方だけを教えられて、人としては歓迎されなかった”という印象を与えやすいのです。
初期離職を招くオンボーディングの疎外感と対策
統計的にも、入社から3か月以内の離職率が高い企業は少なくありません。その原因を追うと、多くは業務の難しさよりも、組織になじめなかったこと、つまり“疎外感”に行き着きます。人は新しい環境に不安を抱えています。その不安を軽減するのは制度ではなく、人とのつながりです。初期段階で歓迎の雰囲気がなく、組織の文化や理念を感じられないと、「自分はここに居場所がないのではないか」という思いが募り、早期に離れてしまうのです。
診断士が警告する感情を無視したオンボーディングの弊害
中小企業の現場で多く見られるのは、「仕事を覚えてもらえれば自然になじむはず」という考えに基づくオンボーディングです。しかし、この考えは現代の人材環境では通用しなくなっています。リモートワークの普及や人材流動性の高まりにより、社員が組織に愛着を持つためには、最初の段階で感情的なつながりを築くことが欠かせません。診断士としての立場から言えば、オンボーディングを単なる手順教育と捉える組織は、長期的な定着率とエンゲージメントで必ず苦戦します。
オンボーディング成功の鍵|感情共有で新入社員の定着を促進する方法
行動科学で証明された感情体験が組織定着を支える仕組み
行動科学の知見によれば、人が新しい環境で最初に受けた感情体験は、その後の組織への態度に強く影響します。歓迎された喜び、不安を理解してもらえた安心感──そうしたポジティブな感情は、その後の困難な業務にも立ち向かうための支えになります。逆に「無視された」「機械的に扱われた」という記憶は長く残り、組織への不信感につながります。オンボーディングを成功させるには、まず感情を動かす体験を設計することが出発点なのです。
初期段階の心理的安全性が社員の定着と成長を左右する
新入社員は業務スキルだけでなく、組織文化や人間関係にも適応しなければなりません。その際に求められるのは、質問や相談をためらわずにできる心理的安全性です。初日から温かく迎えられ、仲間との交流の機会が設けられることで、「ここで安心して学べる」という感覚が生まれます。診断士として現場で見てきた例でも、オンボーディング初期に心理的安全性が築かれた組織ほど、定着率が高く、成長スピードも速いという傾向が顕著です。
企業理念と創業ストーリーが新入社員の共感を育む
オンボーディングは、単に業務を覚えるだけでなく、組織の理念や価値観を知る時間でもあります。経営理念や創業ストーリーは、社員が組織に共感し、自分の仕事の意味を理解するうえで重要な接点です。特に、中小企業では経営者やリーダーの想いが組織文化の核となっていることが多く、これを早い段階で新入社員に伝えることが組織への帰属意識を育てます。理念を単なるスローガンではなく、感情を伴った物語として届けることが、オンボーディングの質を左右します。
感情共有型オンボーディング実践アイデア|新入社員定着率を高める方法
初日に歓迎の儀式に変えて安心感を創出
新入社員が最初に組織と出会う日こそ、感情の共有を最も意識すべきタイミングです。よくあるのは入社初日に書類手続きやPC設定だけが淡々と進むケースですが、それでは歓迎の気持ちは伝わりません。例えば、初日に経営者が直接歓迎の言葉を贈る、チーム全員で昼食を共にする、入社記念の写真を撮影する──こうしたシンプルな行為が、新入社員にとって「この会社に受け入れられた」という安心感を生み出します。
物語を伝えるセッションで組織への共感を深める
業務研修の前に、会社の歴史や理念、創業者の想いを語る時間を設けることも効果的です。特に中小企業では、経営者自身が直接語ることで、新入社員は「この組織の一員になった実感」を得やすくなります。診断士として見てきた成功事例では、このようなストーリーを交えたセッションがある組織は、早期離職率が低く、エンゲージメントも高い傾向が見られました。
音楽や映像演出で感情を刻むオンボーディング
感情を共有する場では、音楽や映像が強力なサポートになります。入社式やオリエンテーションで流れる映像に、会社のストーリーを象徴する音楽を組み合わせることで、情報だけでなく感情の記憶として残ります。私自身が支援した企業でも、オンボーディング用に制作した短いPRソングを式典や研修の冒頭で流すようにした結果、新入社員が理念を自然に口ずさむようになり、理念浸透と定着への効果が見られた事例があります。
経営戦略に基づくオンボーディング|感情共有で成果と投資効果を生む方法
感情の共有は投資効果をもたらす
オンボーディングに感情の共有を組み込むことは、単なる雰囲気づくりではありません。早期離職の減少や定着率の向上は、採用・教育コストの削減に直結します。さらに、新入社員が組織への信頼感を早い段階で持つことで、業務への主体性が育ち、生産性の向上にもつながります。診断士としての経験からも、オンボーディングを感情面から見直した企業ほど、経済的な成果が可視化されやすいことを実感しています。
感情をデータで捉える視点が経営戦略を強化する
オンボーディングを戦略的に運用するには、単に感覚で「うまくいった」と判断するのではなく、データに基づいて評価することが不可欠です。例えば、オンボーディング後のエンゲージメント調査や3か月・6か月後の離職率、研修の満足度アンケートなどを活用し、施策の効果を測定します。感情という無形の要素も、経営管理の指標として捉えられるという意識を持つことで、持続的な改善が可能になります。
音楽や映像を文化資産に変える発想
オンボーディングで用いた音楽や映像は、その後の社内文化づくりにも長く活かせる資産です。入社式で流れたPRソングが朝礼のBGMになり、オリエンテーション映像が新人研修や社内イベントでも使われる──こうした継続的な活用によって、組織文化の一貫性が強まり、理念の共有が自然に進みます。診断士視点で言えば、これは単発の施策を長期的な経営資源に変える重要な発想です。
オンボーディングまとめ|感情共有が新入社員定着と成長の土台になる
オンボーディングは、単に新入社員に仕事を教える期間ではありません。入社初期に組織への信頼感や安心感を持てるかどうかが、その後の定着や成長の大きな分かれ目となります。診断士として多くの現場を見てきた経験からも、最初に経験する「歓迎された」「ここで頑張れると思えた」という感情は、その後の行動に長く影響を与えます。
業務マニュアルや研修プログラムだけでは、人の心は動きません。理念を物語として語り、歓迎の儀式を設け、音楽や映像で感情に届く体験を設計する──そうした積み重ねが、新入社員に「この会社で働く意味」を実感させ、エンゲージメントを高めます。
また、こうした感情の共有は、単なる“雰囲気づくり”にとどまらず、定着率向上や採用コスト削減、生産性向上といった経営効果にも直結します。オンボーディングに投資することは、企業文化と業績の双方を強化する戦略そのものなのです。
「人が辞めない会社をつくりたい」「新入社員の立ち上がりを早めたい」と考える経営者にとって、オンボーディングは最初に見直すべき組織づくりの要です。そしてその中心にあるのは、制度やマニュアルではなく、感情を共有し、人として迎え入れる姿勢です。



コメント