
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表兼制作者、中小企業診断士の井村淳也です。
経営者の方とお会いするたびに思うこと。
どんな業種・規模の会社であれ、社員の確保と定着ーことさら新入社員の採用は頭を悩ませている。
――これは診断士として多くの現場で痛感することです。
こちらは私が中小企業診断士として代表を務める、ソング中小企業診断士事務所のホームページです。

「せっかく採用したのに、もう辞めたいと言われた」
「入社して数週間で、明らかに元気がなくなった」
こうした声は、規模や業種を問わず多くの企業で聞かれます。
しかし実際の現場を見ると、早期離脱の原因は“能力不足”ではないケースがほとんどです。
仕事ができないから辞めるのではありません。
「ここにいていい気がしない」から辞めていくのです。
新入社員は、入社した瞬間から
「この会社に居場所はあるのか」
「自分は歓迎されているのか」
を、言葉ではなく“空気”で感じ取っています。
研修内容やOJTの質よりも先に、
その場の雰囲気・接し方・距離感で
「残るか・離れるか」を無意識に決めているのです。
本記事では、
新入社員の定着を左右する
“帰属の初期設計” という視点から、
- なぜ早期離脱が起きるのか
- 何を最初に整えるべきか
- 現場でできる具体策
を整理していきます。
育て方より先に、
迎え方を設計する。
そこに、定着率改善の本質があります。
この記事を読むことで得られること
- 新入社員の早期離脱が「能力不足」ではなく、“迎えられ方”で起きている理由が整理できます
- 教育や研修より先に整えるべき「帰属の初期設計」の考え方と、現場で見るべきポイントが明確になります
- 空気・表情・声色・距離感、そして音楽や儀式など、言葉を超えて帰属感を育てる具体策が持ち帰れます
まず結論:新入社員の定着を決めるのは育成制度ではなく、入社直後に「ここにいていい」と感じられる迎え方の設計です。
なぜ新入社員は“こんなはずじゃなかった”と感じるのか
新入社員が早期に離職する場面で、企業側からよく聞く言葉があります。
- 「最近の若手は根性がない」
- 「仕事が合わなかったのでは」
- 「覚える気がなかったのかも」
しかし、診断士として多くの現場を見てきて感じるのは、
離職の本当の理由は“スキル不足”ではないということです。
できないから辞めるのではなく、
「できない自分を置いておけない環境」だから辞めている
というケースが圧倒的に多いのです。
早期離脱の本当の原因はスキル不足ではない
入社したばかりの新人が、仕事をうまくこなせないのは当たり前です。
- 業界知識がない
- 社内ルールがわからない
- 専門用語が飛び交う
- スピードについていけない
これは誰しも通る道です。
それでも辞めずに残る人と、早期に離脱する人の違いは、
「できるかどうか」ではなく
「できなくても大丈夫だと思えるかどうか」
にあります。
- 質問していい空気か
- 失敗しても責められないか
- 居場所があると感じられるか
この感覚がないと、
「迷惑をかけている」
「自分は場違いだ」
という思いが膨らみます。
そして、
できない → 申し訳ない → 相談できない → さらに孤立
という悪循環に入ります。
結果として、
「辞める」という選択肢が
自分を守るための行動になってしまうのです。
入社後3か月で起きている心理変化
多くの企業で、離職が増えるのは入社後1〜3か月です。
この時期、新入社員の心の中では次のような変化が起きています。
入社直後
- 期待と不安が混在
- 「頑張ろう」という気持ちが強い
- 多少のことは我慢できる
1か月後
- 仕事の難しさを実感
- 「思っていたより大変」と感じ始める
- 周囲と比較して落ち込みやすくなる
2〜3か月後
- 自分だけできていない気がする
- 相談するのが怖くなる
- 「向いていないのかも」と考え始める
ここで重要なのは、
本人の中で勝手に結論が固まっていくことです。
周囲から見れば
- 「まだ始まったばかり」
- 「誰でも通る道」
でも、本人の中では
- 「自分はダメだ」
- 「この会社は合わない」
という物語が出来上がっていきます。
そして一度この物語ができると、ちょっとした出来事も
「やっぱり自分は向いてない」
と都合よく解釈されてしまいます。
「期待」と「現実」のズレが生む孤立感
入社前、新入社員は少なからず理想像を持っています。
- 丁寧に教えてもらえる
- 先輩が優しくフォローしてくれる
- 少しずつ成長できる
しかし現実は、
- 忙しそうで話しかけづらい
- 質問すると申し訳ない気がする
- 思ったより放置される
このギャップが、じわじわと心を削ります。
企業側は悪気がなくても、
- 「見て覚えて」文化
- 「そのうち慣れる」スタンス
- 忙しさによる放置
これらが重なると、新人の中では
「自分は歓迎されていないのかも」
という解釈が生まれます。
人は、
孤立していると感じた瞬間に弱くなる
生き物です。
- 誰にも頼れない
- 誰にも期待されていない
- 誰にも必要とされていない
そう感じたとき、仕事の内容以前に
「ここにいる意味がない」
と思ってしまうのです。
「こんなはずじゃなかった」の正体
新入社員が口にする
「こんなはずじゃなかった」
この言葉の裏には、
- 仕事がきつい
- 覚えることが多い
という表面的な理由よりも、
- 「もっと迎えてもらえると思っていた」
- 「一人にされると思っていなかった」
- 「ここまで孤独だと思わなかった」
という感情のズレがあります。
つまり、
仕事内容の問題ではなく“迎えられ方”の問題
なのです。
早期離脱は「採用失敗」ではない
ここまで見ると、早期離脱は
「採用の見極めミス」
ではないことがわかります。
本質は、
入社後の“設計”の問題
です。
- 迎え方
- 関わり方
- 距離の取り方
- 声のかけ方
これらを意図せず放置すると、
どれだけ優秀な人材でも離れていきます。
次のセクションでは、この問題を解く鍵として、
定着を分けるのは“教育”ではなく“帰属感”
という視点から、さらに深掘りしていきます。
定着を分けるのは“教育”ではなく“帰属感”
多くの企業は、新入社員の定着を考えるとき、まず
- 研修内容を見直そう
- OJTの質を上げよう
- マニュアルを整えよう
と、「教育」に目を向けます。
もちろん、教育は大切です。
しかし現場を見ていると、教育以前に決まっていることがあります。
それが、その人が「ここにいていい」と感じられているか。
人は「できる」より「ここにいていい」で踏み出す
新入社員が最初に欲しいのは、
- 仕事の正解
- 完璧なやり方
- 評価される成果
ではありません。
本当に求めているのは、
- 「今の自分でも、ここにいていい」
- 「できなくても見捨てられない」
という感覚です。
この感覚があると、人は
- 質問できる
- 失敗を共有できる
- チャレンジできる
ようになります。
逆に、この感覚がないと、
- できない自分を隠す
- 相談せずに抱え込む
- 目立たないように動く
という行動になります。
成長のスタート地点に立てるかどうかは、スキルではなく“安心感”で決まる。
「できるようになったら受け入れる」のではなく、
「できなくても受け入れる」から、人はできるようになります。
心理的安全性と帰属意識の関係
心理的安全性とは、
- 否定されない
- 馬鹿にされない
- 報復されない
という状態を指します。
帰属意識とは、
- 自分はこの集団の一員だ
- ここに居場所がある
- 必要とされている
という感覚です。
この2つは、ほぼセットで動きます。
心理的に安全でなければ、「仲間だ」と感じることはできません。
逆に、「仲間だ」と感じられなければ、心理的に安全にはなりません。
診断士として現場を見ると、定着率が高い組織には共通点があります。
- 失敗談を笑い話にできる
- 新人の質問に“うんざり”しない
- できたことを小さくても拾う
これらはすべて、
「ここにいていいよ」
というメッセージになっています。
言葉で言わなくても、態度と空気で伝わっているのです。
評価・指導より先に必要なもの
多くの上司は、良かれと思って
- もっとこうしたほうがいい
- このやり方は違う
- 次はこうしてみよう
と指導します。
しかし、帰属感が育っていない段階での指導は、新人にとって
- ダメ出し
- 否定
- 見放された感覚
として受け取られやすくなります。
同じ言葉でも、
- 「仲間」から言われるのか
- 「よそ者」から言われるのか
で、意味はまったく変わります。
指導や評価は、「仲間だ」と感じてからでないと逆効果になる。
「教育を手厚くしたのに辞める」理由
よくあるのが、
「研修もちゃんとやっているのに、辞める」
というケースです。
このとき現場で起きているのは、
- 知識は教えられている
- でも居場所は与えられていない
という状態です。
人は、
教えられても、受け入れられていないと感じた瞬間に心を閉じます。
だから、
- 研修は受ける
- 言われたことはやる
- でも、気持ちは離れていく
という現象が起きます。
定着を決めるのは「最初の関係性」
ここまでまとめると、新入社員の定着を分けるのは、
- スキル
- 能力
- やる気
ではありません。
最初に築かれる“関係性”
「ここにいていい」と思えるかどうか。
これです。
教育は、その土台の上で初めて意味を持ちます。
次のセクションでは、この帰属感を意図的に設計する方法として、
“帰属の初期設計”でやるべき3つのこと
を具体的に整理していきます。
“帰属の初期設計”でやるべき3つのこと
帰属感は、
「自然に芽生えるもの」ではありません。
放っておけば、
新人は勝手に不安になり、
勝手に孤立し、
勝手に「向いていない」という結論に辿り着きます。
だからこそ必要なのが、
“帰属の初期設計”です。
診断士として現場を見てきて、
定着している組織ほど、この初期設計が意図的に行われています。
その具体策が、この3つです。
① 役割より「居場所」を先に渡す
多くの企業は、入社初日にこう伝えます。
- 「今日から◯◯の担当ね」
- 「まずはこれを覚えて」
- 「これがあなたの役割です」
もちろん業務説明は必要ですが、
役割だけを渡すと、人は不安になります。
なぜなら、
「ちゃんとできなかったら、ここにいられないのでは」
という恐れが先に立つからです。
帰属の初期設計で最初に渡すべきなのは、
- 「あなたの席は、ここにある」
- 「あなたは、もうチームの一員」
という居場所のメッセージです。
具体的には、
- 朝礼で正式に紹介する
- 「◯◯さん」と名前で呼ぶ
- 雑談に自然に混ぜる
- 昼食に誘う
- 「わからなかったら何でも聞いて」と何度も言う
こうした一つひとつが、
「ここにいていいんだ」
という感覚をつくります。
診断士として現場を見ると、定着率が高い企業ほど、
- 新人の席が“端っこ”ではない
- チームの真ん中に物理的に置く
- 声をかける頻度が多い
という空間設計まで意識しています。
居場所は、言葉より環境で伝わるのです。
② できない期間を許容する設計
新入社員は、最初は必ず失敗します。
それなのに現場では、
- 「さっき言ったよね?」
- 「それ前も間違えたよね」
- ため息
- 無言の圧
こうした反応が、無意識に出てしまいます。
すると新人は、
- 「もう聞けない」
- 「迷惑かけてる」
- 「次は怒られるかも」
と感じ、質問しなくなります。
帰属の初期設計で重要なのは、
“できない期間”を前提にした設計
です。
例えば、
- 最初の3か月は「間違えてOK期間」と宣言
- 同じ質問は何回してもいいと伝える
- 「失敗報告」を評価する
- ミスを責めず、プロセスを一緒に振り返る
これだけで、
- 隠さなくなる
- 相談が増える
- 成長スピードが上がる
という変化が起きます。
診断士として支援した企業で、
「最初の100日間は怒らないルール」
を決めたところ、
- 新人の相談件数が3倍
- ミスの早期発見
- 離職ゼロ
という結果が出たケースもあります。
③ 小さな成功体験の意図的な演出
人は、
- できなかった記憶
- 怒られた記憶
のほうが強く残ります。
だからこそ、
意図的に「できた記憶」を作る設計
が必要です。
ポイントは、
- 難しすぎないタスクを渡す
- 達成できたら必ず言語化して褒める
- チームの前で共有する
例えば、
- 「電話対応、落ち着いてできてたね」
- 「昨日より早く処理できてたよ」
- 「その気づきいいね」
こうした小さな承認が、
「自分、役に立ってるかも」
という感覚を育てます。
診断士として現場を見ると、定着している組織ほど、
- 褒めるポイントが細かい
- 成果より“変化”を見る
- できた瞬間を逃さない
という特徴があります。
これは偶然ではなく、
意図的に設計されているのです。
帰属感は「やさしさ」ではなく「設計」
ここで大切なのは、
帰属感づくりは
- 優しさ
- 性格
- 相性
の問題ではない、ということです。
仕組みで作れるもの
です。
- 居場所を渡す
- できない期間を許容する
- 小さな成功体験を演出する
この3つを意図的に回すだけで、
新人の表情は驚くほど変わります。
「人が辞めない会社」は偶然ではない
定着している会社は、
たまたま良い人が集まっているわけではありません。
迎え方が設計されている
それだけです。
次のセクションでは、
この帰属感をさらに強めるために、
言葉だけでは足りない──
帰属感をつくる非言語要素
について深掘りしていきます。
言葉だけでは足りない──帰属感をつくる非言語要素
「困ったら何でも聞いてね」
「うちはアットホームだから」
多くの会社が、こうした言葉を新人にかけます。
しかし実際には、
言われた内容より“どう言われたか”のほうが強く残ります。
人は、言葉よりも先に
- 空気
- 表情
- 声色
- 距離感
といった非言語情報で、
「歓迎されているかどうか」を判断しているからです。
空気・表情・声色・距離感の影響
例えば、同じ「おはよう」でも、
- 笑顔で言われる
- 忙しそうに言われる
- 目を合わせずに言われる
受け取る印象は、まったく違います。
新人は特に、
- 先輩の機嫌
- 上司の余裕
- 職場全体の緊張感
こうした空気の変化に敏感です。
「聞いていいよ」と言われても、
- 話しかけると迷惑そう
- いつも忙しそう
- 声をかけると話が止まる
この状態では、
「本当は聞かないほうがいいんだな」
と解釈してしまいます。
つまり、
言葉と態度がズレた瞬間、態度のほうが真実として受け取られる
ということです。
「歓迎されている」と感じる瞬間の正体
新人が
「ここ、居心地いいな」
と感じる瞬間は、意外と些細です。
- 名前で呼ばれた
- 雑談に自然に入れてもらえた
- 「それどう思う?」と意見を求められた
- 失敗したときに笑ってもらえた
これらに共通するのは、
「存在を認識してもらえた」
という感覚
です。
人は、
- 成果を出したとき
- 評価されたとき
よりも先に、
“そこにいること”を認められたとき
に、安心します。
診断士として現場を見ると、定着している職場ほど、
- 新人の名前がすぐ浸透する
- 役職ではなく名前で呼ぶ
- ちょっとした変化に気づく
という特徴があります。
これらはすべて、
「あなたは見えています」
「あなたは仲間です」
という無言のメッセージです。
最初の1週間で決まる“感覚的印象”
帰属感の土台は、
入社初日から1週間でほぼ決まる
と言っても過言ではありません。
この期間に新人が無意識に見ているのは、
- 誰が誰と話しているか
- どんなときに笑いが起きるか
- ミスした人がどう扱われるか
- 上司はどんな表情で現場を見るか
つまり、
「この会社の“当たり前”」
です。
ここで
- ミス=怒られる
- 質問=面倒がられる
- 黙っている=無難
という空気を感じ取ると、
新人は自分を抑えるモードに入ります。
逆に、
- ミス=一緒に考える
- 質問=歓迎される
- 沈黙=待ってもらえる
という空気を感じると、
- 話していい
- 頼っていい
- ここにいていい
という感覚が育ちます。
帰属感は「言葉」で作れない
ここまで見てきたように、
帰属感は
- スローガン
- 研修資料
- オリエンテーション
では作れません。
日常の何気ない態度の積み重ね
でしか生まれません。
- どう迎えるか
- どう目を合わせるか
- どう返事をするか
- どう間を取るか
こうした無意識の振る舞いが、
新人にとっては
「この会社で生きていけるか」
を決める材料になります。
非言語は“会社の本音”が出る場所
最後に大切な視点です。
企業が発信する理念や方針は、
あくまで「建前」です。
新人が見ているのは、
その会社の“本音”
です。
- 忙しいときの態度
- ミスした人への反応
- 陰での会話
ここに、本当の文化が表れます。
次のセクションでは、
こうした空気づくりを意図的に加速させる仕掛けとして、
音楽・儀式・共通体験が
“仲間意識”をどう高めるのか
を掘り下げていきます。
音楽・儀式・共通体験が“仲間意識”を加速させる
帰属感は、
「大切にされていますよ」と言われて生まれるものではありません。
“同じ体験をした”という記憶によって、じわじわと育っていくものです。
そのために強力に働くのが、
- 音楽
- 儀式
- 共通体験
です。
これらはすべて、
言葉を介さずに「仲間感」を生み出す装置です。
同じリズムを共有すると何が起きるか
人は、
- 同じテンポで手拍子する
- 同じメロディを口ずさむ
- 同じ動きを繰り返す
これだけで、
- 安心感
- 一体感
- 「同じ側にいる感覚」
が自然に生まれます。
これは心理論ではなく、生理反応です。
心拍や呼吸のリズムが近づき、脳が
「この人たちは自分と同じ集団だ」
と判断するからです。
だから、
- ライブ会場
- スポーツ観戦
- 合唱
では、初対面の人とも一瞬で仲間意識が生まれます。
組織でも同じです。
同じリズムを共有する体験は、最短距離で「仲間」にしてくれるのです。
社歌・朝礼・テーマ曲が持つ心理効果
社歌やテーマ曲というと、
- 「ちょっと恥ずかしい」
- 「古臭い」
と感じる方もいるかもしれません。
しかし心理的には、非常に理にかなった仕組みです。
音楽には、
- 場の空気を切り替える
- 感情の方向性を揃える
- 「今からこれをやる」というスイッチになる
という機能があります。
例えば、
- 朝礼の前に同じ曲が流れる
- イベントの開始音が決まっている
- 社内動画に同じBGMが使われている
これだけで、
「この会社の時間が始まった」
という感覚が生まれます。
診断士として現場を見ると、音楽をうまく使っている会社ほど、
- 朝の空気が軽い
- 発言が出やすい
- 新人の緊張がほぐれやすい
という変化が起きています。
これは、
音楽が“場の緊張”を先に溶かしているからです。
新人を“参加者”に変える仕掛け
新人が孤立する最大の理由は、
「見ているだけの人」になってしまうことです。
会議でも、
- 聞いているだけ
- メモを取るだけ
- 発言しない
こうした状態が続くと、
「自分はまだ外側の人間」
という感覚が強まります。
これを壊すのが、参加型の仕掛けです。
- 朝礼で一言コメントを回す
- 社歌のサビだけ一緒に歌う
- 月1回のミニイベントを設ける
- 「新人の一言コーナー」をつくる
重要なのは、
上手くやらせることではなく、“場に入る体験”をさせること
です。
音楽や儀式は、
- 発言の上手さ
- 仕事の理解度
に関係なく、
全員を平等に参加者にできる仕組みです。
だからこそ、
新人を「見ている人」から「一緒にいる人」に変えられるのです。
帰属感は「仲良し」ではなく「同じ経験」
ここで大切な視点です。
帰属感は、
- 仲良くなること
- 雑談が多いこと
ではありません。
「同じ時間を過ごした」「同じ体験をした」
この積み重ねです。
音楽・儀式・共通体験は、
それを強制せずに自然に生む数少ない手段です。
仲間意識は偶然ではなく設計できる
多くの企業は、
「自然に馴染んでくれたらいいな」
と期待します。
しかし実際には、
馴染むかどうかは、設計で決まる
と言っても過言ではありません。
- 同じリズムを共有する場をつくる
- 定期的な儀式を設ける
- 新人が“参加者”になれる仕掛けを用意する
これらを意図的に回すだけで、
帰属感は確実に育ちます。
まとめ|定着は制度ではなく「迎え方」で決まる
新入社員の定着を左右するのは、
研修制度や評価制度ではありません。
その前にあるのは、
「あなたを迎えています」という空気
です。
人は、
- 成長できるか
- 成果を出せるか
を考える前に、
「ここにいていいのか」
を無意識に判断しています。
育つかどうかは、その後の話です。
まず必要なのは、迎えられている感覚です。
人は育つ前に“迎えられる”必要がある
多くの企業が、
- 「まず仕事を覚えさせよう」
- 「即戦力になってもらおう」
と考えます。
しかし現場で見てきた限り、
不安な状態では、人は学べません。
緊張し、
- 間違えたらどうしよう
- 迷惑をかけたらどうしよう
と感じている間は、
頭のリソースが自己防衛に使われます。
だからこそ最初に必要なのは、
できるようにすることではなく
安心できるようにすること
なのです。
迎え方が整うと、
- 質問が増える
- 挑戦が増える
- 失敗から学べる
という好循環が生まれます。
帰属感は偶然ではなく設計できる
「うちはたまたま雰囲気がいいから」
という組織ほど、
仕組みを持っていないケースが多いです。
しかし実際は、
帰属感は“運”ではなく“設計”
です。
- 最初の声かけ
- 座る位置
- 紹介のされ方
- 最初の仕事の渡し方
- 朝礼やミーティングの関わり方
こうした細部の積み重ねが、
「自分はこの組織の一員だ」
という感覚をつくります。
音楽・儀式・共通体験も、
その設計の一部です。
偶然馴染むのを待つより、
馴染む構造をつくる方が確実です。
最初の30日間が組織の未来を決める
診断士として見てきて、
はっきり言えることがあります。
最初の30日で、8割は決まる
ということです。
この期間に、
- 話しかけてもらえたか
- 失敗しても大丈夫だったか
- 居場所があったか
これがその後の
- 定着率
- 成長速度
- 主体性
を大きく左右します。
裏を返せば、
最初の30日を丁寧に迎えれば、
その後は驚くほどスムーズになる
ということでもあります。
制度は後からでも変えられます。
しかし、
最初の印象は、やり直せません。
だからこそ、
「どう育てるか」よりも
「どう迎えるか」
ここに、
組織づくりの本質があります。
明日、新入社員に贈る「3つの設計」チェックリスト
- 居場所の確認: 彼のデスクに、名前入りの備品やメッセージはあるか?
- 心理的安全の宣言: 「最初の30日はミスを報告したら褒める」と伝えたか?
- リズムの共有: チーム全員で同じ音、同じ時間、同じ体験を共有したか?



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