「聞く力」ではなく「聴き合う組織」へ─音楽的な発想

「聞く力」ではなく「聴き合う組織」へ─音楽的な発想

みなさんこんにちは!ソングメーカー代表兼制作者、中小企業診断士の井村淳也です。

経営者の方とお会いするたびに思うこと。

「聞く」と「聴く」。この2つの言葉の違いは、ビジネスの現場でこそ重要になる。

――これは診断士として多くの現場で痛感することです。

こちらは私が中小企業診断士として代表を務める、ソング中小企業診断士事務所のホームページです。

ソング中小企業診断士事務所
あなたと共に考え、悩み、成長できるパートナーでありたい。

この記事を読むことで得られること

  • 「聞いているのに通じない」状態が起きる理由を、「聞く/聴く」の違いから整理できます
  • 会議・1on1・報連相が“処理の場”になってしまう構造と、そこから抜け出す視点が得られます
  • 音楽の合奏に学びながら、「聴き合う文化」を日常業務に埋め込む具体策が見えてきます

まず結論:組織を強くするのは「話し方」ではなく「聴き方」であり、聴き合いはスキルではなく“仕組みとして回す文化”で初めて定着します。

  1. なぜ組織は「聞いているのに、通じない」のか
    1. 聞いている“つもり”の正体
    2. 情報処理としての「聞く」と、関係構築としての「聴く」
    3. 会議・1on1・報連相が機能しなくなる構造
    4. 通じない組織の共通点
    5. 問題は「話し方」ではなく「聴き方」
  2. 「聞く」と「聴く」は別物──音楽的コミュニケーションの視点
    1. 音楽における「聴く」とは何か
    2. 音量・間・リズム・抑揚を感じ取る行為
    3. 人間関係における“音”の正体
    4. なぜ「聴く人」は信頼されるのか
    5. 組織は“合奏”である
    6. コミュニケーションを「音楽」として捉え直す
  3. 「聴き合う組織」が生まれる3つの条件
    1. ① 正解探しをやめる
    2. ② 沈黙を怖がらない
    3. ③ 反応より“受信”を優先する
    4. 聴き合う文化は“技術”ではなく“姿勢”
  4. 音楽は“聴き合い”のトレーニング装置である
    1. アンサンブルの構造=組織と同じ
    2. 主役と脇役が入れ替わる関係性
    3. 社歌・合唱・リズム共有が生む心理効果
    4. 音楽は“聴く姿勢”を身体で教えてくれる
    5. 組織に足りないのは「説明」ではなく「体験」
  5. 「聴き合う文化」を組織に実装する方法
    1. ■ 会議・1on1・朝礼への落とし込み
      1. ● 会議
      2. ● 1on1
      3. ● 朝礼
    2. ■ 評価制度・育成制度との接続
    3. ■ “聴く行動”を可視化・習慣化する設計
    4. ■ 聴き合う文化は「コスト」ではなく「投資」
    5. ■ 文化は「言う」ものではなく「回す」もの
  6. まとめ|強い組織は「話し上手」より「聴き上手」
    1. ■ 音楽的な発想が組織を変える理由
    2. ■ 聴き合う組織が生むのは「仲の良さ」ではない
    3. ■ 話し上手より、聴き上手

なぜ組織は「聞いているのに、通じない」のか

「ちゃんと話は聞いているんです」
多くの経営者や管理職が、そう言います。

確かに、

  • 最後まで遮らずに聞いている
  • アドバイスもしている
  • 相槌も打っている

形式的には“聞いている”状態に見えます。

それでもなぜ、組織では

  • 本音が出てこない
  • 表面的な会話で終わる
  • 行動が変わらない

といった現象が起き続けるのでしょうか。

ここには、
「聞いているつもり問題」という構造があります。

聞いている“つもり”の正体

多くの場合、私たちは
相手の話を「理解しよう」としています。

一見、良い姿勢に思えますが、
この「理解しよう」は実は、

  • 結論を探す
  • 正解を見つける
  • どう返すかを考える

という自分起点の作業になりがちです。

つまり、

「相手の話を聞いているようで、
 実は自分の頭の中で処理しているだけ」

という状態です。

これでは、
相手は「聞いてもらえた」と感じません。

話し終わったあとに残るのは、

  • 評価された感じ
  • アドバイスされた感じ
  • さばかれた感じ

であって、
受け止めてもらえた感覚ではないのです。

情報処理としての「聞く」と、関係構築としての「聴く」

ここで重要なのが、
「聞く」と「聴く」の違いです。

聞く

  • 情報を取得する行為
  • 要点をつかむ
  • 結論を整理する
  • 効率重視

聴く

  • 相手の背景を感じ取る
  • 感情や迷いを受け取る
  • 沈黙や間も含めて味わう
  • 関係性重視

組織で起きているのは、
ほとんどが「聞く」だけのコミュニケーションです。

  • 結論は何?
  • 要するに?
  • で、どうするの?

こうした問いかけは、
業務上は必要ですが、
関係構築という意味では逆効果になることもあります。

人は、

「わかってもらえた」
「受け止めてもらえた」

と感じたときに、
初めて次の話をします。

聴かれていないと感じた瞬間、
 本音は引っ込みます。

会議・1on1・報連相が機能しなくなる構造

この「聞く」と「聴く」のズレは、
日常業務のあらゆる場面に影響します。

会議の場合

  • 結論ありき
  • 発言は“正しさ”で評価
  • 空気を読んで無難な意見だけ出る

→ 結果、
「決まるけど、腹落ちしない会議」になります。

1on1の場合

  • 上司が“正解”を教える場になる
  • 相談すると指導される
  • 評価につながる不安

→ 結果、
「無難な報告会」になります。

報連相の場合

  • ミスは怒られる前提
  • 相談=能力不足と捉えられる
  • 問題が表に出なくなる

→ 結果、
「手遅れ報告」ばかりになります。

これらに共通するのは、
聴く場ではなく、処理する場になっていることです。

通じない組織の共通点

診断士として現場を見ると、
「通じない組織」には共通点があります。

  • 話す側が“整えすぎている”
  • 本音より“正解”を出そうとする
  • 沈黙が怖い
  • 感情の話を避ける

つまり、

“正しい会話”ばかりで
 “生きた会話”がない組織
です。

これでは、
どれだけ会議や面談の回数を増やしても、
関係性は深まりません。

問題は「話し方」ではなく「聴き方」

多くの組織は、

  • どう伝えるか
  • どう話すか
  • どう説明するか

ばかりを鍛えます。

しかし本当のボトルネックは、
どう聴いているかにあります。

話し方を変えても、
聴き方が変わらなければ、
組織は変わりません。

次のセクションでは、
この「聴く」という行為を
音楽的な視点から分解し、

なぜ“聴く”ことが
 組織を変える力になるのか
を深掘りしていきます。

「聞く」と「聴く」は別物──音楽的コミュニケーションの視点

「聞く」と「聴く」は、
漢字が違うだけの話ではありません。
この違いを最もわかりやすく教えてくれるのが、
音楽の世界です。

音楽における「聴く」とは何か

音楽を「聞く」とき、私たちは単に

  • 音程
  • 歌詞
  • メロディ

といった情報を処理しているわけではありません。

実際には、

  • その場の空気
  • 演奏者の感情
  • 緊張感や高揚感
  • 次に来る音への予感

といった、言葉にできない要素まで含めて受け取っています。

たとえば、

  • ライブ会場の一体感
  • 静寂の中で鳴る一音
  • サビに入る直前の“間”

こうした瞬間に、私たちは「理解」ではなく
体感として音楽を聴いています。

つまり音楽における「聴く」とは、

音の向こう側にある感情や意図まで受信する行為

なのです。

音量・間・リズム・抑揚を感じ取る行為

音楽が心を動かすのは、
「何を鳴らしているか」よりも、

  • どのくらいの音量か
  • どんな間で入ってくるか
  • どんなリズムか
  • どんな抑揚か

こうした構造に理由があります。

同じメロディでも、

  • 強く弾く
  • 弱く弾く
  • 間を長く取る
  • テンポを変える

それだけで、伝わる感情はまったく変わります。

これは人の会話も同じです。

  • 早口で言う
  • 間を空けて言う
  • 小さな声で言う
  • 笑いながら言う

伝わる意味は、別物になります。

人は言葉そのものより、“出し方”で感情を受け取っているということです。

人間関係における“音”の正体

組織のコミュニケーションにも、実は“音”があります。

  • 声のトーン
  • 話すスピード
  • 沈黙の長さ
  • 場の空気
  • 緊張感
  • 安心感

私たちは無意識に、

「今日は話しかけやすいな」
「今はやめたほうがいいな」

と判断しています。

これは、
言葉を聞いているのではなく、空気を聴いている状態です。

つまり組織の中では常に、

言葉 × 感情 × 空気
という“音楽”が鳴っていると言えます。

なぜ「聴く人」は信頼されるのか

「聴く人」は、言葉の裏にあるものまで受け取ります。

  • 迷っている
  • 本当は言いたいけど言えない
  • 自信がない
  • 評価を気にしている

こうした感情の揺れを、否定せずに受け止める。

だから相手は、

「この人には話していい」
と感じます。

一方で「聞くだけ」の人は、

  • 結論を急ぐ
  • 正解を探す
  • 評価しようとする

結果として、

「もういいや」
「言わなくていいや」

という反応を生みます。

組織は“合奏”である

音楽で言えば、組織は合奏です。

  • 誰かが強く出すぎるとバランスが崩れる
  • 誰かが沈黙し続けると厚みがなくなる
  • 全員が主役になろうとすると騒音になる

良い合奏は、

  • 互いの音を聴き
  • 出すべきところで出し
  • 引くべきところで引く

この調和で成り立っています。

組織もまったく同じです。

  • 話す人
  • 黙っている人
  • まとめる人
  • 支える人

それぞれの役割が、
「聴き合う」ことで機能します。

コミュニケーションを「音楽」として捉え直す

ここまでをまとめると、

  • 聞く=情報処理
  • 聴く=関係構築

音楽的視点で見ると、

組織の会話は、言葉のやり取りではなく“感情のセッション”
だとわかります。

言葉だけに集中するほど、人はすれ違います。
空気まで含めて聴けるようになると、
組織は驚くほど変わります。

次のセクションでは、
「聴き合う組織」が生まれる条件
具体的に整理していきます。

「聴き合う組織」が生まれる3つの条件

「聴き合う組織」は、
自然発生的に生まれるものではありません。
意識と設計がなければ、
ほぼ確実に“聞くだけの組織”に戻っていきます。

では、
聴き合う文化はどうすれば育つのか。
診断士として現場を見てきた中で、
共通している条件はこの3つです。

① 正解探しをやめる

組織の会話が止まる最大の理由は、
「正解を言わなければならない」空気です。

  • 間違ったら評価が下がる
  • 変なことを言ったら浮く
  • 的外れだと思われたくない

こうした無意識のブレーキが、
発言を細くします。

その結果、

  • 無難な意見だけが出る
  • 上司の顔色をうかがう
  • 会議が“答え合わせ”になる

という状態になります。

聴き合う組織では、
この「正解探し」がありません。

  • 途中の考え
  • 未整理の違和感
  • 感情混じりの発言

これらが、
“素材”として歓迎されます。

診断士として現場に入ると、
業績が伸びている組織ほど、

「それ、まだ整理できてないけど…」

という発言が多い傾向があります。

つまり、

賢く話すより
正直に話せる場のほうが
組織は強くなる

ということです。

② 沈黙を怖がらない

多くの組織では、
沈黙が起きると誰かがすぐ埋めます。

  • 上司が話し出す
  • 話題を変える
  • 冗談で流す

しかし沈黙は、
考えている時間でもあります。

音楽で言えば、
“間”があるからこそ次の音が生きます。

会話も同じです。

沈黙を許せる組織では、

  • 考えてから話せる
  • 感情を整理できる
  • 勢いで言わなくて済む

という余裕が生まれます。

診断士として会議を観察していると、

  • 沈黙が3秒以上続かない組織
  • すぐ上司が結論を言う組織

ほど、
実は意見が少ないです。

逆に、

  • 沈黙を待てる
  • 「まだ考えてます」でOK

という場では、
後半になって深い意見が出ます。

沈黙は停滞ではなく
思考が動いている証拠

これを理解できるかどうかが、
大きな分かれ目です。

③ 反応より“受信”を優先する

多くの人は、
話を聞きながら

「何て返そうか」

を考えています。

これは自然なことですが、
この瞬間、
聴いてはいません。

頭の中はすでに
“発信モード”に入っています。

聴き合う組織では、
ここを意識的に切り替えます。

  • すぐ返さなくていい
  • アドバイスしなくていい
  • 結論を出さなくていい

まずやるのは、

その人の話を
その人のまま受け取ること

です。

診断士として面談をするとき、
私が一番意識しているのもここです。

  • 遮らない
  • まとめない
  • 評価しない

その代わり、

  • 「そう感じたんですね」
  • 「そこが引っかかっているんですね」

と、受信したことだけを返す。

これだけで、

  • 話が深くなる
  • 本音が出てくる
  • 表情が変わる

という変化が起きます。

聴き合う文化は“技術”ではなく“姿勢”

ここまでの3つに共通するのは、
スキルではなく姿勢です。

  • うまく質問する
  • 上手に返す
  • テクニックを使う

以前に、

  • 正解を急がない
  • 沈黙を許す
  • 受信を優先する

この姿勢があるかどうか。

聴き合う組織とは、

うまく話せる組織ではなく
安心して話せる組織

です。

次のセクションでは、
こうした“聴く姿勢”を
音楽を使ってどう鍛えられるのか
具体的に掘り下げていきます。

音楽は“聴き合い”のトレーニング装置である

「聴く力」を鍛える──
そう聞くと、コミュニケーション研修やコーチングを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実は、
最も自然に“聴き合い”を体感できる場が、音楽です。

音楽は、
頭で理解するものではなく、
身体で“合わせる”ものだからです。

アンサンブルの構造=組織と同じ

アンサンブル(合奏)では、

  • 自分の音だけを出しても成立しない
  • 相手の音を聴かないとズレる
  • 全体のバランスが最優先

という構造になっています。

誰か一人が上手くても、

  • 周りを無視して弾く
  • 自分だけ目立とうとする

と、演奏は一気に崩れます。

これは組織と全く同じです。

  • 自分の成果だけを追う
  • 発言力の強い人だけが目立つ
  • 周りの状況を無視する

こうした状態では、
組織としての“音”は濁っていきます。

良いアンサンブルとは、

自分の音を出しながら、
同時に周りの音を聴いている状態

です。

つまり音楽は、
「出す」と「聴く」を同時に求める世界。
この構造そのものが、
組織コミュニケーションの理想形です。

主役と脇役が入れ替わる関係性

音楽の面白さは、
常に主役が変わることにあります。

  • サビではボーカル
  • 間奏ではギター
  • 静かな部分ではピアノ
  • リズムを支えるドラム

場面ごとに、
前に出る人と支える人が入れ替わります。

良いバンドほど、

  • 前に出るときはしっかり出る
  • 引くときは潔く引く

この切り替えが自然です。

組織も同じです。

  • プロジェクトによって主役が変わる
  • 若手が前に出る場面もある
  • 上司はあえて引く瞬間もある

この役割の流動性がある組織ほど、
心理的安全性が高くなります。

逆に、

  • いつも同じ人が話す
  • 上司が常に主役
  • 部下は聞くだけ

こうした構造では、
聴き合いは生まれません。

音楽は、
主役固定の危うさを自然に教えてくれます。

社歌・合唱・リズム共有が生む心理効果

では、組織で音楽を使うと何が起きるのでしょうか。
ポイントは「同期」です。

人は、

  • 同じリズムで手拍子する
  • 同じメロディを歌う
  • 同じテンポで体を動かす

これだけで、

  • 安心感
  • 仲間意識
  • 一体感

が自然に生まれます。

これは脳の仕組みです。
心拍や呼吸が揃い、
「同じ場にいる感覚」が強まる。

つまり、

音楽は
無理に仲良くしなくても
“一体感”をつくれる装置

なのです。

社歌や合唱、朝礼でのテーマ曲などは、

  • 言葉で理念を語る前に
  • 感情レベルで空気を整える

役割を果たします。

診断士として現場を見ると、
音楽をうまく使っている組織ほど、

  • 会議の空気が柔らかい
  • 発言が出やすい
  • 上下関係が緩む

といった変化が起きています。

音楽は“聴く姿勢”を身体で教えてくれる

音楽の場では、

  • 相手の音を無視できない
  • 勝手に話せない
  • 空気を読むしかない

つまり、
聴かないと成立しない構造
になっています。

だからこそ音楽は、

  • 聴くことの大切さ
  • 合わせる感覚
  • 引く勇気

を、
理屈ではなく体感で教えてくれます。

これは、

  • 研修
  • マニュアル
  • スローガン

では得られない学びです。

組織に足りないのは「説明」ではなく「体験」

多くの組織は、

  • 聴きましょう
  • 対話しましょう
  • 心理的安全性を高めましょう

と言葉では伝えています。

でも、

言われたから聴く

体感して聴く
は、全く別物

です。

音楽は、
「聴き合うとはどういうことか」
説明せずに理解させる数少ない手段です。

次のセクションでは、
この音楽的発想を
組織の仕組みにどう実装するか、
具体的に見ていきます。

「聴き合う文化」を組織に実装する方法

ここまで見てきたように、
「聴き合う姿勢」は意識だけでは定着しません。

文化にするには、
日常業務の中に“仕組みとして埋め込む”ことが不可欠です。

ポイントは、
「特別な研修」ではなく
いつもの業務の中で繰り返されることです。

■ 会議・1on1・朝礼への落とし込み

まず取り組みやすいのが、
既存の場の使い方を変えることです。

● 会議

  • 最初の5分は「結論を出さない時間」にする
  • 意見へのリアクションは“評価”ではなく“受信”だけ
     (例:「そう感じたんですね」「なるほど」)
  • 沈黙が出ても、すぐ埋めない

これだけで、

  • 発言の質が深くなる
  • 正解探しが減る
  • 本音が混じり始める

● 1on1

1on1が「上司の指導タイム」になっている組織は要注意です。

  • アドバイスは最後
  • まずは20分、相手の話を“受信”だけする
  • 途中で遮らない
  • まとめない

この運用に変えるだけで、

  • 相談の内容が深くなる
  • 表情が柔らかくなる
  • 「話していい場」に変わる

成果が出ている組織ほど、
1on1が“聴く場”として設計されています。

● 朝礼

朝礼は、
「聴き合う文化」を毎日仕込める最高の場です。

  • 昨日よかったことを一人話す
  • それに対して“評価せず”一言受信コメント
  • 拍手や相槌だけでもOK

重要なのは、
話すより“聴く側”を主役にする設計です。

■ 評価制度・育成制度との接続

文化は、
評価と結びついた瞬間に定着します。

つまり、

「聴く人」が評価される構造をつくることが重要です。

例えば、

  • 部下の話を遮らない
  • 1on1での質問数
  • 会議で他者の意見を拾う行動
  • 否定せずに受け止める姿勢

こうした聴く行動を、

  • 評価項目に入れる
  • 360度評価で拾う
  • フィードバックで言語化する

これだけで、

  • 話を聞く意味が変わる
  • 「聴く=仕事」になる

育成制度も同じです。

  • 若手に「話し方」だけ教える → ✕
  • 「聴き方」を最初に教える → ◎

聴く力は、リーダーシップの基礎体力です。

■ “聴く行動”を可視化・習慣化する設計

文化をつくるには、
見える化が不可欠です。

おすすめなのは、

  • 1週間に1回「ちゃんと聴けた場面」を共有
  • チームで「今日のベストリスナー」を選ぶ
  • Slack等で“聴いてくれてありがとう”スタンプ

こうした軽い仕掛けでも、

  • 聴く行動が意識される
  • 良い事例が増える
  • 組織の空気が変わる

重要なのは、

完璧を求めない
小さく、何度も繰り返す

ことです。

文化は、
劇的な改革ではなく、
地味な繰り返しでしか生まれません。

■ 聴き合う文化は「コスト」ではなく「投資」

多くの経営者は、

「そんな時間ない」
「成果に直結しないのでは」

と感じます。

しかし実際は逆です。

  • 報連相が早くなる
  • ミスが早期に出る
  • 離職が減る
  • 現場判断の質が上がる

つまり、

聴く文化は生産性を下げるのではなく
“無駄な摩擦”を減らす投資

です。

■ 文化は「言う」ものではなく「回す」もの

最後に大切な視点です。

  • 「聴きましょう」と言う → 変わらない
  • 「聴く行動」が回り続ける → 文化になる

この違いです。

聴き合う文化は、
理念でもスローガンでもなく、

日常業務に組み込まれた“運用”
として初めて根づきます。

まとめ|強い組織は「話し上手」より「聴き上手」

多くの組織は、
「どう伝えるか」「どう説明するか」に力を入れます。

しかし本当に組織を強くしているのは、
どれだけ上手に“聴けているか”です。

聴くことは、話術でもテクニックでもありません。
文化です。

  • 正解を急がず
  • 沈黙を許し
  • 相手を“処理”せず受信する

こうした姿勢が、
日常の中で繰り返されているかどうか。
それが、その組織の「聴く文化」の正体です。

■ 音楽的な発想が組織を変える理由

音楽は、

  • 相手の音を聴かないと成立しない
  • 主役と脇役が自然に入れ替わる
  • 空気や間までも含めて感じ取る

という世界です。

つまり、
聴き合いが前提の構造になっています。

この感覚を組織に持ち込むことで、

  • 会話の質が変わる
  • 上下関係が柔らぐ
  • 本音が出やすくなる

といった変化が起きていきます。

■ 聴き合う組織が生むのは「仲の良さ」ではない

聴き合う組織が生むのは、
単なる「仲の良さ」ではありません。

  • ミスが早く共有される
  • 判断の精度が上がる
  • 離職が減る
  • 現場の自走力が高まる

といった、実務的な成果です。

そして何より、

「この組織なら話しても大丈夫」
という信頼が積み上がります。

■ 話し上手より、聴き上手

話し上手な組織より、
聴き上手な組織のほうが、結果的に強くなります。

伝え方を磨く前に、
まず聴き方を問い直す

そこから、
本当の組織変革は始まります。

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