
音楽は「作ること」よりも「届くこと」の方が、はるかに難しいと感じています。
どれだけ技術を磨いても、理論を覚えても、相手の心に触れない曲は、ただの“良くできた音”にしかならない。逆に、言葉が少し不器用でも、その人の想いが乗った曲は、不思議と聴く人の心を動かします。
私はこれまで、個人からのオーダーで1200曲以上の楽曲制作に関わってきました。その中で強く実感しているのは、「伝わる曲には、共通する“つくり方”がある」ということです。
このコラムでは、作曲スキルの話ではなく、「あなた自身の世界が、誰かの心に届く曲になるまでのプロセス」について、丁寧にお話しします。
この記事を読むことで得られること
- 「伝わる曲」と「うまくできた曲」の違い――“芯(あなたの世界)”と“人の気配・余白”の重要性がわかります
- 言葉→メロディ→音楽へと進む再現可能なプロセスと、最初に取り組むべき対話・言語化のコツがつかめます
- プロデュース(伴走・編集・翻訳)の意味を理解し、一人で迷わない進め方と最初の一歩が明確になります
まず結論:伝わる曲は「才能」ではなく、あなたの言葉を起点にプロセスと伴走で形にする“自分の物語”です。
第1章|「伝わる曲」とは、どんな曲なのか?
「伝わる曲」と「うまくできている曲」は、まったくの別物です。
私が1200曲以上の制作を続けてきて、強く感じていることは、
“うまい曲”が必ずしも“届く曲”ではないということです。
多くの人は、音楽をつくろうとするとき、まず 「正しさ」 や 「完成度」 を目指します。
- 音程が外れないように。
- コード進行が洗練されているように。
- リズムが揺れないように。
- メロディがきれいに流れるように。
もちろん、それらは大切な要素です。
しかし、それだけでは人の心は動きません。
なぜなら、人が音楽に触れたときに感じるものは、
“技術の良し悪し”より、“その人自身”だからです。
「伝わる曲」には、必ず“人”がいる
ライブ映像を見たとき、
歌詞を読み返したとき、
音の揺れや息遣いに触れたとき――
私たちが心を動かされる瞬間には、
必ず 「その曲をつくった人間の気配」 が存在しています。
たとえば、少し不器用な歌声でも、
明らかに作り慣れていないコード進行でも、
その中に、
- 「この言葉を届けたい」
- 「この景色を忘れたくない」
- 「この人にどうしても届いてほしい」
という願いが乗っているとき、曲は聴き手の胸を打ちます。
伝わる曲とは、“あなたの世界がそこにある曲”のことです。
正解ではなく、“芯”がある
「伝えたい世界」は、人によって違います。
- 大切な人への気持ち
- 挫折を乗り越えた記憶
- 子どもの頃の景色
- 今の自分を支えている言葉
- 誰にも言えなかった弱さ
それらは、あなたにしか語れないものです。
曲は正解で決まるものではなく、“芯”で決まる。
そして、その“芯”は、誰も最初から言葉にできるわけではありません。
だからこそ、楽曲制作では「自分の中にある言葉を見つけていく時間」がとても大切になります。
「伝わる曲」は、聴き手が“自分の物語”として受け取れる
「伝わる曲」にはもう一つ特徴があります。
それは、“聴いた人が、自分自身の記憶や感情を重ねられる余白” があるということ。
押しつけの強いメッセージでもなく、
説明しすぎたストーリーでもなく、
ただ“あなた自身の言葉”が置かれている曲は、
聴く人に「自分の中の景色」を思い出させます。
人の心が動くとき、
そこには 「自分の物語を見つけた瞬間」 があるのです。
だからこそ、曲作りは「作曲」ではなく「対話」からはじまる
伝わる曲をつくるためには、技術だけでは足りません。
必要なのは、あなたの中にある言葉・記憶・想いを、一緒に見つけにいくプロセス です。
プロデュースソングメーカーでは、曲をつくる前に、
必ず丁寧な対話を行います。
- なぜその曲をつくるのか。
- 届けたい相手は誰なのか。
- その人に、何を感じてほしいのか。
- あなた自身の「芯」はどこにあるのか。
それらを、時間をかけて言葉にしていく。
その上で、旋律・コード・構成・歌詞を形にしていきます。
伝わる曲は、“あなた自身を見つける”ところから始まる。
私は、そう信じています。
第2章|なぜ「言葉」から始めるのか
曲づくりと言うと、多くの人は「メロディから考えるもの」と思いがちです。
口ずさめる旋律が先にあって、そこに歌詞が乗っていく。
あるいは、ピアノやギターを弾きながら、ふと浮かんだフレーズから広げていく。
そういうイメージが一般的かもしれません。
ですが、私はあえて 「言葉」から曲づくりを始める ことを大切にしています。
それは、音楽が「音だけで成り立っているもの」ではないからです。
音楽は、想いを運ぶ器 であり、
その「想い」の核となるものが “言葉” だからです。
「言葉」は、あなたの内側にある“世界”を運んでくる
歌詞を書くとき、多くの人が最初に躓くポイントがあります。
それは、「何を書けばいいか分からない」 というものです。
でも実は、「ない」のではなく、まだ“見えていない”だけ です。
人は、日常の中でたくさんの感情を抱えています。
- 悔しかったこと
- 嬉しかった瞬間
- 心が震えた出会い
- 誰にも言えなかった本音
- 自分を支えてきた小さな言葉
それらは確かに存在しているのに、
私たちはそれを「語るための言葉」を持っていない状態でいることが多いのです。
つまり、言葉にできる前から、すでに“曲の核”はあなたの中にある。
だからこそ、曲づくりは「言葉を見つけること」から始まります。
言葉を見つける作業は、あなたと対話する作業
プロデュースソングメーカーでは、制作に入る前のヒアリングに時間をかけます。
- 「なぜ、この曲を作ろうと思ったのか」
- 「その気持ちは、いつ、どこから生まれたのか」
- 「その背景には、どんな人や出来事がいたのか」
対話の中で、あなたの中に眠っていた記憶が、少しずつ言葉として浮かび上がってきます。
たとえば、
- 「うまく生きられないと思っていた時期があって…」
- 「でも、あの人の一言で救われたんです」
- 「今は、誰かの力になれる人でありたい」
そういった “その人にしかない物語” は、必ず音になるときに 曲の芯 になります。
言葉が見つかった瞬間、音楽はただの音の連なりではなく、“あなた自身”になります。
言葉→メロディ という順序は、“想いが迷子にならない”曲をつくる
メロディから作り始めると、曲が「かっこよく」「整って」聞こえやすい半面、
メロディに歌詞を無理に合わせることで、
言葉が薄まったり、嘘くさくなってしまうことがあります。
一方、言葉から始めると、
- なぜこの曲をつくるのか
- 何を届けたいのか
- 誰に向けた歌なのか
という “曲の存在理由” が、最初からブレません。
その結果、曲全体に 一本の軸が通った音楽 になります。
伝わる曲は、軸がある。
軸がある曲は、言葉から始まる。
これは、1200曲以上の制作で変わらなかった真実です。
言葉は「心の輪郭」
メロディは「心の呼吸」
音楽はその両方でできている
音楽は、感情の芸術です。
しかし、感情は掴めません。形がありません。
その形に輪郭を与えるのが 言葉。
その温度や息遣いを運ぶのが メロディ。
どちらが欠けても、曲は「伝わらない」。
だから、私たちは言葉から始める。
それは、曲作りを「正しく」するためではなく、
あなたの想いを、まっすぐに届く形にするためです。
第3章|曲づくりは「才能」ではなく「プロセス」
「自分に曲なんて作れるんだろうか?」
「音楽の知識がないから無理じゃないか?」
「センスがある人だけができることだと思っていた」
楽曲制作を依頼される方の多くが、最初にそう感じています。
ですが、私はここではっきりと言い切れます。
曲づくりは、才能ではありません。
再現可能な“プロセス”です。
もちろん、音楽の中には感性という領域があります。
しかし、「伝わる曲」を形にするために必要なのは、
突出したセンスでも、特別な生まれつきでもありません。
必要なのは、自分の想いを整理し、それを音に変換していく道筋を知ることです。
そしてその道筋は、誰でも辿ることができます。
才能は「前提」ではなく「結果」
私自身、作曲を始めた頃は、特別な素質があったわけではありません。
理論も知らず、うまく歌えるわけでもなく、
ただ「どうしても伝えたい世界がある」という気持ちだけがありました。
何度も試行錯誤し、
人に聴いてもらい、
改善し、
また作り直す。
その積み重ねの結果、気づいたのです。
才能は「最初から持っているもの」ではなく、
プロセスを通じて“あとから育つもの”だと。
だからこそ、初めて曲を作る人でも大丈夫です。
表現は、積み重ねの中で育っていきます。
曲づくりには「順序」がある
プロデュースソングメーカーでは、
楽曲制作を次のような流れで進めます。
- 想いを言葉にする(インタビュー・対話)
- 言葉の温度と輪郭を整理する(構成・テーマ設定)
- 核となる言葉からメロディを導く(旋律設計)
- 曲全体のストーリーを組み立てる(構成・展開)
- 編曲で“伝わる音の形”に変換する(サウンドデザイン)
- 仕上げ・修正(納得するまで無制限)
この順序は、直感や勢いに頼らず、
「届けたい想いがそのまま曲に反映される」 よう設計されています。
つまり、曲づくりとは、
感情 → 言葉 → メロディ → 音楽
と段階を踏んで形になるプロセスなのです。
だから、人は誰でも“曲を作ることができる”
例えば、絵を描くときも、スポーツを身につけるときも、
私たちは最初から完璧にできたわけではありません。
できなかった → できるようになった
その過程を、当たり前のように経験してきました。
曲づくりも同じです。
「自分には無理だ」と感じる理由は、
作り方を知らなかっただけ。
作り方(プロセス)が分かれば、
人は必ず形にできます。
重要なのは、「一人でやろうとしない」こと
ただし、初めての曲づくりには、もう一つ重要な鍵があります。
それは、
“伴走する人”がいるかどうか。
自分だけで曲を完成させようとすると、
必ず「何が正しいのか分からない」という壁にぶつかります。
- このメロディで良いのか?
- この歌詞は陳腐に感じないか?
- この想いは伝わるのか?
判断基準がないから、迷ってしまう。
だからこそ、プロデュースソングメーカーでは、
「一人で悩ませない曲づくり」 を提供しています。
私は、あなたの物語を一緒に整理し、
音に変換し、
完成するまで寄り添います。
才能ではなく、プロセス。
一人ではなく、共に。
それが、「伝わる曲」を生む最も確かな方法です。
第4章|“伝わる曲”が生まれる瞬間
曲づくりの中には、明確に「何かが生まれる瞬間」があります。
それは、単にメロディが思いついた時でも、コード進行がうまくはまった時でもありません。
それは、“言葉”と“音”が、はじめて同じ方向を向いた瞬間 です。
音が気持ちを支え、
言葉が情景を運び、
メロディが息づき、
「あなた」が曲の中心に据わる。
その瞬間、音楽は「作品」ではなく、あなたそのものの表現 になります。
メロディが、言葉に “呼ばれる” 瞬間
私が制作を進めるとき、
メロディは「考えて作る」というより、
言葉の中から自然に立ち上がってくることが多いです。
たとえば、こんな流れが生まれます。
その言葉は、どんな声で発せられるだろう?
強く? 優しく? 震えながら? 静かに?
言葉の「温度」や「息遣い」を感じながら音を探していくと、
次第に、無理のないメロディが浮かび上がる。
このとき、
メロディは言葉を「装飾」するものではなく、
言葉そのものの延長線になります。
だから、自然に伝わる。
だから、心に入る。
曲が「あなた」になった瞬間、人は心を動かされる
伝わる曲には、必ず 「人の気配」 があります。
「誰が作ったか分からない曲」ではなく、
「あなたが作った曲」になる。
たとえ歌がプロのように上手くなくても、
たとえ楽器がうまく弾けなくても、
その曲は、あなたにしか歌えません。
人は、音楽そのものよりも、
音楽の中にいる “人” に心を動かされます。
“伝わる曲”が生まれた瞬間の、共通する感覚
これまでご一緒した方は、性別も年齢も表現の目的も様々ですが、
完成が近づいたとき、必ずと言っていいほど同じような言葉を口にします。
「あ、これだ。」
言葉はとてもシンプルです。
でも、その声には迷いがありません。
その瞬間、曲は“説明”ではなく、“自分自身”になります。
誰かに聴かせる準備が整うのではなく、
自分が受け取れる曲になる。
そして不思議なことに、
自分が納得していない曲は、誰にとっても「届かない曲」になります。
逆に、自分が“自分の曲だ”と胸に感じられる曲は、必ず届いていきます。
音楽は、とても正直です。
伝わる曲は、「あなたの物語」を持っている
技術も編曲もミックスも大切です。
しかし、どれだけ音を整えても、
物語がない曲は、人の心には残りません。
逆に――
言葉が、想いが、記憶が、
その人の人生が曲の中に息づいているとき、
聴いた人は自然と、
自分の中のストーリーを重ねて聴きます。
曲とは、記憶の扉をひらく鍵のようなものです。
だからこそ、曲づくりのプロセスは、
「うまい曲」ではなく、
「あなたが生きてきた証」を形にする時間なのです。
第5章|プロと一緒につくる意味
「曲は自分一人で作るべきもの」
そう思っている方は、少なくありません。
特に、自己表現として曲を生み出そうとしている人にとって、
“人の手を借りる”ことは、まるで「自分だけの純度が薄まってしまう」ような感覚を持つこともあると思います。
けれど、私はいつもこう考えています。
曲づくりにおけるプロデュースとは、あなたの世界を消すことではなく、
あなたの世界を「そのまま届く形」に翻訳することだ、と。
これは「代わりに作る」こととはまったく違います。
自分の想いは、時に自分では見えない
私たちは、いつも自分の内側とともに生きています。
だからこそ、本当に大切なものほど、言葉にならないまま胸の奥に沈んでいることが多いのです。
- うまく説明できない気持ち
- 何度も形にしようとして諦めた情景
- 心の深いところに置いてきた言葉
それらは、確かに存在しているのに、見つけようとすると逃げていく。
曲づくりの途中で、こう言う方がいます。
「本当は何を伝えたかったんだろう…」と。
その瞬間に必要なのは、一緒に探してくれる人 です。
プロデュースソングメーカーでは、
あなたの言葉を奪わず、勝手に形を決めることもありません。
私がするのは、
あなたの中にある言葉を見つけるために、隣に立ち、一緒に照らすこと。
ただそれだけです。
それが、最も本質的なプロデュースです。
プロは「何をどう聴き、どう形にすれば伝わるか」を知っている
音楽は、気持ちをそのまま音にすれば伝わる…
そんなシンプルなものではありません。
想いを「そのまま」出してしまうと、
言葉が多すぎたり、説明的すぎたり、
逆に伝えたい気持ちが埋もれてしまうことがあります。
だからこそ、プロの役割は
- 余白をつくる
- 言葉を整える
- 音に呼吸を与える
- 聴き手が受け取れる距離感に調整する
という “伝わるための編集” にあります。
これは音楽の技術ではなく、
「心がどう動くか」を理解しているかどうか で決まります。
共に作るから「曲が自分のものになる」
代わりに作られた曲は、
たとえ完成度が高くても、どこか“他人の曲”になります。
しかし、対話しながら、言葉を見つけながら、
メロディが立ち上がる瞬間に立ち会いながら作った曲は、
完成した瞬間に「これは自分の曲だ」と言い切れる曲になります。
この実感は、曲の上手さや構造よりも何よりも大切です。
なぜなら、音楽を発信するとき、
必要なのは「勇気」だからです。
自分が心から大切に思える曲は、必ず世界に届けられる。
そして届いたとき、確かに誰かの人生に触れる。
共に作るとは、
その「確かな一歩」を支えるための時間です。
プロデュースは「依存」ではなく「自立」へ導くもの
プロと一緒に作ると聞くと、
「いつか自分一人で作れないのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
でも実際には逆です。
プロと一緒に作ることで、
- 言葉の見つけ方
- メロディの生まれる瞬間
- 曲が持つ“芯”の捉え方
- 伝わる構成の組み立て方
が、身体感覚として蓄積されていきます。
つまり、プロデュースは
「あなたの表現を奪うものではなく、育てるもの」 です。
あなたは、自分の音を持った人になります。
そしてその音は、誰にも奪われません。
第6章|まとめ─あなたの“音”は、もうここにある
音楽は、特別な人のためのものではありません。
曲づくりは、選ばれた人にしかできない創作でもありません。
「伝えたい気持ち」 があるなら、
その想いは、必ず音になる準備をしています。
今日お話ししてきた内容を、改めて振り返ります。
- 伝わる曲には「人」がいる
- 曲は、言葉から始まることで芯が生まれる
- 曲づくりは、才能ではなくプロセス
- “伝わる瞬間”は、言葉と音が同じ方向を向いたとき
- プロと共に作ることは、表現の純度を薄めるのではなく、輪郭を明確にすること
そして何より、
曲は「うまく作るもの」ではなく、
自分を受け取るための表現です。
あなたの中には、すでに曲の「種」があります。
それは、これまでの人生の中で確かに育ってきたものです。
あとは、その種を、
一緒に光の下に置いてあげればいい。
私は、その隣に立ちます。
まずは、話すところからはじめませんか
いきなり「曲を作ります」と言わなくて大丈夫です。
「なぜ曲を作りたいと思ったのか」
「どんな気持ちを残したいのか」
そこから、少しずつ、一緒に言葉にしていきましょう。
制作の前に、無料のオンラインヒアリングをご用意しています。
- 作りたい理由が曖昧でも大丈夫
- 言語化が苦手でも大丈夫
- 何も決まっていなくても大丈夫
話しているうちに、
あなたの中にすでにある“物語”が、自然と見えてきます。
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(※ご相談だけでももちろん大丈夫です)
(※全国どこからでもオンライン対応しています)
最後に
曲ができるということは、
綺麗な作品が完成する、ということだけではありません。
「自分は、自分の人生を生きていい」と、もう一度思えること。
音楽には、そんな力があります。
私はこれまでその瞬間を、何度も目の前で見てきました。
もし今、
心のどこかに「作りたい」という灯りがあるなら、
どうかその灯りを消さずに。
その灯りは、あなたの言葉となり、
あなたの歌となり、
あなたの生きてきた証そのものになります。
その瞬間を、一緒に創れたら嬉しいです。
──プロデュースソングメーカー
井村 淳也



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