皆さんこんにちは!ソングメーカー代表、井村淳也です。
今回は、よさこいソングメーカーで音楽制作を行う際に特に重要となる楽器を、和楽器・和楽器以外でそれぞれ6つずつあげてみました。音色の特徴、楽曲での役割、聞き手に与える印象、そして制作時のこだわり、の4項目についてご説明致します。
和楽器
三味線
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
三味線の音色は、独特の「サワリ」と呼ばれる共鳴音が特徴です。弦を弾くと、軽やかで明るい音が響きます。
主に日本の伝統音楽や民謡で使われ、リズムやメロディを引き立てます。
聞く人に懐かしさや温かみを感じさせ、心地よいリズムが心に残ります。
ほとんどすべてのよさこい楽曲で入る楽器で、最重要楽器と言ってもいいと思います。ほぼ全編に入れることが可能ですが、比較的スローパートでは入れにくく、しっかりとしたリズムのある速めのテンポ(目安は♩=120以上)のパートで使うことがほとんどです。
演奏のバックで刻むように弾くこともありますし、三味線ソロのような演出をすることもあります。ソロの場合は津軽三味線のような激しい弾き方をします。ソロの場合は16分音符や32分音符のような細かい演奏方法を主体としたスピード感のあるパートとなるよう心がけております。
琴
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
琴の音色は、澄んだ美しい音が特徴です。弦を指で弾くと、柔らかく優雅な音が広がります。
日本の伝統音楽や現代音楽で、メロディや伴奏として使われます。
聞く人に静けさや癒しを与え、心を落ち着かせる効果があります。
高音部分での演奏と低音部分での演奏と、使い分けることで音楽に与える変わります。また、三味線との違いは静かなパートでも盛り上がるパートでも使えるというところです。静かなところは低音で奏でることで、より優しさや情緒感が強くなりますし、盛り上がる部分であれば高音で速く弾くことで疾走感を出すことができます。
単音でも重ねても、ゆっくりでも速くでも使える、和楽器の中でも様々な表現方法がある楽器です。
尺八
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
尺八の音色は、深くて豊かな響きが特徴です。演奏時の調整により柔らかくも力強い音が出ます。
日本の伝統音楽や現代音楽で、メロディやソロパートを担当します。
聞く人に静寂や瞑想的な雰囲気を感じさせ、心を落ち着かせます。
比較的長い音符(2分音符、全音符、それ以上伸ばす音符)で使うことが多く、どちらかと言えば対旋律(主旋律の裏で鳴っている主旋律を補足するような音色)で使うことが多いです。
音の存在感がやや薄いため、純粋な尺八のソロとして使うことは少なく他の音と重ねて表現したり、上述の対旋律で使うことが多いです。
一方で和風の雰囲気がとても強い楽器の一つなので、尺八が入ると一気に和のイメージが強くなります。
和太鼓
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
和太鼓の音色は、力強くて迫力があります。大きな音が響き渡り、心に響く低音が特徴です。
祭りや伝統行事でリズムを刻み、エネルギーを与えます。
聞く人に興奮や高揚感を与え、体全体で音を感じることができます。
ほとんど必ずと言っていいほどよさこいの楽曲では使用する楽器です。同じくリズムを刻む重要な楽器にドラムがありますが、ドラムよりも和楽器を前に出した形で調整する場合が多く、そのように希望されるお客様も多いです。それだけ、「和太鼓のリズムで踊る」というイメージが、よさこい楽曲では強いのだと思います。
音の性質としては非常に低い音程でかつ太い音色のため、とても強い存在感があり、うまく音量や叩き方のバランスを取らないと他の音がかき消されてしまいます。和太鼓の音を強く出してほしい、と希望される場合が多いのですが、一方でそれを実現するためには他の楽器とのバランス等で細かい調整が必要となるため、実際に楽曲の中で使っていくのは難しい面もある、音楽制作においてはその力強いイメージとは裏腹に繊細な楽器とも言えます。
鼓
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
鼓の音色は、軽やかでリズミカルです。小さな音から大きな音まで、幅広い音色を出せます。
主に能楽や歌舞伎でリズムを刻み、場面の雰囲気を引き立てます。
聞く人に緊張感や期待感を与え、物語の進行を感じさせます。場の雰囲気をガラッと変える力もあります。
とても目立つ音ですし存在感が強いため、かなり使いどころを選ぶ楽器です。実際に入れていく際はここぞ、という目立たせたい要所、踊りのポイントとなる部分で少しだけ入れるという場合が多いです。
鼓に限りませんが楽器を選んで演奏する場合、使いどころや演奏のバランスを取るのはとても重要です。曲中のどこで使うのかを考えて楽器を選んでいくことでその魅力を引き出す、といった考えで作曲・編曲しています。
鈴
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
鈴の音色は、澄んだ高音が特徴です。軽やかで清らかな音が響きます。
神楽や祭りで使われ、神聖な雰囲気を演出します。
聞く人に清らかさや神秘的な雰囲気を感じさせ、心を浄化する効果があります。
イントロ・序盤・中盤・終盤・エンディングと、各パートごとに場面を切り替えて楽曲制作を行うことが多いのですが、鈴を連続的にならす場合はそれらパートの切り替わり箇所で入れることが多く、単発で鳴らす場合は一定のリズムを刻むような使い方が多いです。高音でとてもきれいな音色なので、鼓同様に存在感が強く使いどころに工夫がいりますが、鼓よりは押し出しが強くない優しい音色です。
和楽器以外
エレキギター
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
エレキギターの音色は、多彩で変幻自在です。エフェクトを使うことで、歪んだ音やクリアな音など様々な音色を出せます。
ロックやポップスでメロディやリズムを担当し、ソロパートで目立つ存在です。
聞く人にエネルギーや興奮を与え、ダイナミックな演奏が心に残ります。
ある意味では和楽器とは対極をなす音色の印象の楽器です。一方でロック調のアレンジの時には必須と言ってよい楽器となっており、和風のイメージを出しつつもエレキギターも加えていくことで、伝統的な音楽と激しさとの融合を目指します。特に三味線とは同じ弦楽器ということもあり、場合によっては三味線とエレキギターの掛け合いソロのようなパートを作ることもありますが、よさこい楽曲では主にバッキング(主旋律のメロディラインではなく裏で支える伴奏のような弾き方)を担当することが多いです。
ベース
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
ベースの音色は、深くて重厚です。低音がしっかりと響き、リズムを支えます。
バンドのリズムセクションとして、曲全体の土台を作ります。
聞く人に安定感や安心感を与え、音楽のグルーヴを感じさせます。
基本的に一番低い音程を演奏しているため、慣れていない人だと「どの音がベース?」と聞き取れないこともあるのですが、一方でベースが無くなると全体的に音が軽くなったという感覚は多くの人が感じ取れるようです。そのため、表に出てくることはないが縁の下の力持ち的な存在であると言えます。特によさこい楽曲では踊るための楽曲ということもあり、リズム楽器と同期して重低音部分を刻む役割は大変重要です。ほぼすべての楽曲で使用されます。
ドラム
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
ドラムの音色は、多様でリズミカルです。スネア(いわゆる小太鼓にあたる高音で響くもの)やバスドラム(いわゆる大太鼓と呼ばれる足で踏む一番大きなもの)、シンバルなど、様々な音が組み合わさります。
バンドのリズムを刻み、曲のテンポやダイナミクスをコントロールします。
聞く人にリズム感や躍動感を与え、音楽のエネルギーを感じさせます。
和太鼓の個所でも説明しましたが、ドラムも重要なリズム楽器です。あまり前面に出しすぎると和のテイストが損なわれると感じられる方もいるため、使用する場合はお客様のご要望に沿って音量バランス等を調整しながら使います。終盤以降の盛り上がる部分などではスネアの連打等で盛り上げりを強調したり、踊りのテンションを一気に上げていく効果があります。
ストリングス
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
ストリングスの音色は、豊かで滑らかです。ヴァイオリンやチェロなどが織りなすハーモニーが美しいです。
クラシック音楽や映画音楽で、メロディや伴奏として使われます。
聞く人に感動や情緒を与え、音楽の深みを感じさせます。
私がとても好きな音色で、よさこい楽曲とも相性抜群のため、非常に多く使用します。いわゆるクラシックなオーケストラ音楽の音色が元となっているものですが、実際に使用する音はもっと柔らかく、壮大で、情緒的な響きを奏でます。太い音色の場合は主旋律でも活躍しますが、比較的長く伸ばす奏法で裏側で和音進行の中心となり、音楽の骨格部分を作り上げる役割を担います。ハーモニーを重ねることで厚みが出ますし、音楽全体の底上げをするような力もある、非常に重宝する音色です。
ピアノ
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
ピアノの音色は、クリアで豊かです。高音から低音まで幅広い音域を持ち、表現力が豊かです。
ソロ演奏や伴奏、オーケストラの一部として使われます。
聞く人に感動や癒しを与え、心に響く演奏が特徴です。
ピアノも私が特に好きな楽器ですが、よさこい楽曲ではもっと存在感の強い楽器を多く使用するため、どちらかと言えばスローな静か目のパートで活用することが多くなります。透明感のあるメロディラインを奏でるパートにおいて、ピアノで和音をアルペジオ奏法(和音の構成音を時間をずらして徐々に弾く奏法)で鳴らすことでより雰囲気を盛り上げることができます。ピアノは極めて音域が広く、超低音域から超高音域まで様々な高さで弾くことができるため、単体でも非常に表現力の豊富な楽器です。
ブラス
- 音色の特徴
- 楽曲での役割
- 聞き手に与える印象
- よさこいソングメーカーでの制作時のこだわり
ブラスの音色は、力強くて明るいです。トランペットやトロンボーンなどが織りなす音が特徴です。
ジャズやクラシック、ポップスでメロディやリズムを担当します。
聞く人にエネルギーや高揚感を与え、華やかな演奏が心に残ります。
その躍動感あふれる力強い音色の特徴から、テンポが速めの盛り上がるパートにおいてメロディラインの役割を担うことが多い楽器です。
存在感が大きいため、あまり前面に出しすぎると楽曲の雰囲気がガラリと変わってしまうこともあり、他の楽器とのバランスを考えながら使用することが重要となります。和楽器とうまく役割分担をしながら低音部分の演奏を担当することで、音楽全体の力強さを補強できる楽器でもあります。
まとめ
今回は、12種類の楽器を一気にご紹介いたしました。
よさこいソングメーカーでは、これら楽器を自由に使うことができます。また、この12種類がすべてではありません。ここであげた以外の楽器でも使用することができます。お客様のご要望次第で、どこでどの楽器を使いたい、とご指定いただけます。もちろん、それによる追加費用は一切ございません。
「音楽の知識がなく、あまり具体的な指示は難しい」というお客様もいらっしゃいます。どうぞご安心ください!可能な限りで構いませんので、大体のイメージをお伝えいただければ、お客様のイメージに近づけていけるようこちらで考え、楽器選択をさせていただきます。
最終的にお客様にご満足いただける楽曲を作れるよう、精一杯努めてまいります!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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