
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表、兼制作者の井村淳也です。
よさこい曲は、ただ盛り上がるためのBGMではありません。 イントロの一音からサビのクライマックスまで、曲そのものがチームの物語を語るメディアです。 曲の世界観が明確であればあるほど、踊り手は感情を乗せやすくなり、観客も自然とその物語に引き込まれます。 550曲以上の制作を重ねる中で見えてきたのは、「世界観を音で描く」ための設計術があるということ。 この記事では、物語をどう曲に翻訳し、踊りと観客の心をつなげるかを、具体的な事例とともに解説します。
よさこい曲制作における世界観設計|物語深掘りで唯一無二のチーム曲を作る方法
よさこい曲の制作で最も大切なのは、チームの物語を音に変換し、唯一無二の世界観を創り上げることです。疾走感あるギターや派手な太鼓だけではどこかで聴いたことのある曲に終始してしまいます。本記事では「物語を掘り下げる」6つのステップで、観客を物語に引き込む体験型の曲制作プロセスを解説します。
Step1:チームの想いと背景を言語化して物語の核を発見
まずはヒアリングを通じて、チームのテーマの裏にある本当の想いを言語化します。多くのチームは「今年のテーマ」を持っていますが、そのテーマを支える背景や歴史、感情までは言葉にできていません。
- 今年のテーマを一言で言うと何ですか?
- そのテーマを選んだ理由は何ですか?
- チームの歴史やこれまでの物語を教えてください
- 観客に最も伝えたい感情は何ですか?
- 演舞を見たあと、観客にどう感じてほしいですか?
Step2:言葉にできない想いを引き出して曲に反映
うまく言葉にできない“想い”を引き出すことで、曲の完成度は大きく変わります。深掘りした想いこそが、音楽に魂を吹き込む鍵です。
- 質問だけでなく、対話や体験談を聞き出す
- ペルソナ視点で「もし自分が踊り手なら」と想像させる
Step3:ビジュアル・衣装・演舞と音楽の一体化で世界観強化
音楽単体で完結させず、衣装や演舞構成、ビジュアル演出と連動させることで、世界観を観客に直接伝えます。
- 衣装との統一感:伝統的な和柄衣装なら篠笛・和太鼓を中心に、未来的デザインならシンセサウンドを強調
- 演舞構成との一致:「始まり→成長→クライマックス→余韻」に沿った曲構成
- ビジュアル同期:フォーメーションチェンジや旗演出とサウンドのピークを合わせる
Step4:物語のピーク設計で観客の感情を揺さぶる
3〜4分の曲で観客を物語に引き込むには、「どこで最も感情を揺さぶるか」を設計段階で決める必要があります。
- サビ前で緊張感を高める
- クライマックス直前の無音で期待を最大化
- 最後のサビでメッセージを繰り返し届ける
- アウトロで余韻を残して感情を解放する
Step5:効果的な音選びでチーム独自の世界観を演出
同じテーマでも、選ぶ音色によって伝わる印象は劇的に変わります。用途に合わせた音色でチームの世界観を強化しましょう。
| 系統 | 楽器・音色 | 演出効果 |
|---|---|---|
| 伝統系 | 篠笛;和太鼓;琴 | 郷愁;地域性;静謐さ |
| 現代系 | エレキギター;シンセ;EDM | 爽快感;スピード感;未来志向 |
| 融合系 | 和太鼓+エレキギター+シンセ | 伝統と革新の同時表現 |
Step6:仮音源検証で物語と世界観の最適化
踊り手が実際に踊りながら世界観を体感することで、イントロの長さや掛け声の数、和楽器のバランスなど、言葉では出てこなかった違和感を発見・修正できます。
- イントロの余韻を延ばす
- 掛け声を増やして盛り上げる
- 衣装に合わせて和楽器を強調する
井村淳也からのひとこと|世界観設計の第一歩は物語の深掘り
テーマを決めるだけでは不十分です。その裏にある想いや背景を丁寧に音に変換して初めて、チームだけの曲になります。言葉にならない想いを引き出し、衣装・演舞構成・ビジュアルと統一した上で物語のピークを意識する。このプロセスで生まれた曲は、観客を物語に引き込む“体験”になります。
音色とリズムで世界観設計|550曲制作経験から学ぶよさこい曲の魅力最大化5ステップ
よさこい曲の世界観は、音色の選定とリズム構成で大きく変わります。同じメロディでも、音色やリズムを工夫するだけで観客の印象は劇的に変化し、物語を直接伝えられます。550曲以上の制作経験から得た具体的ポイントを5つのステップで解説します。
Step1:音色がつくる「物語の第一印象」
イントロの音色選びで、曲を聴いた最初の数秒で世界観の大枠が決まります。伝統的・未来的・幻想的など、狙った印象を明確に演出しましょう。
- 伝統系: 篠笛・和太鼓・琴 → 地域性・郷愁・落ち着きある印象を強調
- 現代系: エレキギター・シンセ・ブラス・EDM → 疾走感・爽快感・未来志向を演出
- 融合系: 和楽器と現代楽器のミックス → 伝統を大切にしつつ新しさを表現
Step2:リズム設計で踊り手と観客を物語に引き込む
リズムは踊り手と観客の身体感覚に直結する要素です。テンポ、グルーヴ、アクセントで観客を物語の中へ誘導しましょう。
- 呼吸に寄り添うテンポ: BPMをほんの5変えるだけで踊りやすさが大きく変化
- グルーヴ感: 和太鼓の低音とシンセベースを組み合わせ、自然に体が動くビートを作る
- アクセント: 一瞬の無音やブレイクで緊張感を高め、次の盛り上がりを際立たせる
首都圏チームでは、リズムとステップのズレが踊りのバラつきの原因でした。太鼓とベースを再設計しリズムをシンプル化したところ、踊りが揃い完成度が飛躍的に向上しました。
Step3:間を活かして世界観に深みを加える
曲に全ての音を詰め込まず、一瞬の“間”を意識的に作ることで物語の起伏を際立たせられます。
- サビ前の無音: 観客の期待感を最大化
- 大旗の動きに合わせた無音: 演出のインパクトを強調
- アウトロの余韻: 物語を締めくくり、感情を解放
ある北海道チームはフォーメーション切替直前に2拍の無音を入れた結果、観客の息を呑む瞬間とその直後の盛り上がりで熱気が会場全体に広がりました。
Step4:フックで世界観を象徴化する
曲全体の印象を強めるフックを意識的に配置し、観客に「このチームらしさ」を刻み込みましょう。
- 印象的なイントロリフ: 最初の数秒でチームの個性を提示
- 繰り返し使う掛け声: サビでチーム独自の言葉を定着
- 独特なリズムパターン: 他チームと差別化できる個性を演出
四国のあるチームでは「風」をテーマに篠笛のフレーズを冒頭からサビまで一貫して使用し、音を聴いただけで「このチームだ」とわかる象徴的な世界観に仕上がりました。
Step5:仮音源検証で世界観を体感し最適化
制作途中で複数の仮音源を用意し、踊りと合わせて世界観を体感・検証します。衣装や演舞構成と最も響き合うサウンドをチームと一緒に選びましょう。
- 和太鼓強調バージョン
- ギターとシンセ強調バージョン
- 融合バランス型バージョン
井村淳也からのひとこと|最初の一音から設計するよさこい曲世界観
世界観は後付けではなく、音色とリズム選びの段階で設計します。
- イントロでチームの物語を提示する
- リズムで踊り手と観客を引き込む
- 間で感情の起伏を作る
- フックでチームらしさを刻み込む
こうして丁寧に設計された曲は、観客を物語の世界へと誘い、ただのBGMを超えた“体験”を生み出します。
歌詞と掛け声で想いを可視化|よさこい曲世界観を言葉で伝える5ステップ
よさこい曲における歌詞と掛け声は、物語の想いを観客に届ける〈翻訳装置〉です。イントロやサウンドで雰囲気を描き、リズムで身体を動かす一方、言葉として可視化されたメッセージが世界観の鮮明さを左右します。本記事では、歌詞と掛け声でチームの想いを可視化する5つのステップを解説します。
Step1:歌詞はテーマを象徴する旗印に
歌詞は多ければ良いわけではありません。むしろ、一言の“旗印”が世界観を強烈に伝えます。
- サビで旗印となる言葉を繰り返す → 「つながれ」「未来へ」「感謝を込めて」
- 言葉を削ぎ落として印象を強める → 情報を絞るほど感情がストレートに届く
- 口ずさめるシンプルさ → 8文字以内が理想的な長さ
例:高知のチームが「ありがとう」をテーマに、サビで3回繰り返すだけの歌詞にしたところ、観客からも自然に「ありがとう!」の声が返り、会場が感動に包まれました。
Step2:掛け声で熱量を最大化するトリガー設計
掛け声は観客を巻き込み、踊り手の士気を高める重要な要素です。設計次第で一気に盛り上がりを生み出します。
- 短く、強く、繰り返せる → 「それ!」「はっ!」「よっしゃ!」
- 観客が言いやすい言葉を選ぶ → 簡潔で耳に残るフレーズ
- 決めポーズと同期 → 視覚と聴覚を同時に刺激
例:首都圏チームが「つながれ」の掛け声を決めポーズと同期させた結果、演舞終盤で観客も一体となる熱気あふれる演出に成功しました。
Step3:コーラスで多層的な感情を演出
メインボーカルに加えコーラスを3層設計することで、曲に厚みと一体感を生み出します。
- ハーモニーで厚みを出す → サビに高音コーラスを重ねて開放感を演出
- 掛け声×メロディの呼応 → 交互配置で一体感を高める
- 観客参加型コーラス → サビの短いフレーズを繰り返し、自然に声を出してもらう
例:四国のチームが女性主旋律に男性コーラスを重ね「風」を表現。立体的なサウンドが観客に「風を感じる」と大好評でした。
Step4:言葉と音を一体設計して世界観を強化
歌詞や掛け声は音と切り離さず設計し、自然に溶け込ませることが大切です。
- 歌詞の抑揚とメロディを一致させる
- 掛け声の強弱を太鼓やギターのアクセントとリンク
- 言葉の響きに合わせた音色を選ぶ
例:若手チームが「は!」という掛け声の瞬間にシンセを強調。メッセージ性とサウンドが一致し、演舞全体が引き締まりました。
Step5:観客を物語の語り手に変える仕掛け
歌詞と掛け声の設計は、観客を物語の一部に巻き込むために行います。
- サビに観客が自然に歌えるワンフレーズを用意
- 掛け声に間を空けて声を重ねやすくする
- コール&レスポンスで演舞全体の一体感を作る
井村淳也からのひとこと|歌詞と掛け声で物語を体感させる
歌詞と掛け声はよさこい曲の世界観を言語化し、観客に届ける翻訳者です。短く強い言葉でテーマを伝え、掛け声で熱量を最大化。観客まで物語に巻き込む仕掛けを設計すれば、曲は「ただ聴くもの」から「体感する物語」へと変わります。
観客参加型よさこい曲で物語体験を強化する5つの仕掛け
よさこい曲の魅力は、踊り手と観客が一体となって同じ物語を体感できる点にあります。観客を単なる「見る人」から「共演者」に変える仕掛けを曲の設計段階から組み込むことで、演舞の完成度と一体感は劇的に高まります。
Step1:観客を参加させる余白設計で世界観を深める
観客が自然に声を出したり手拍子できる余白を作ることで、物語への没入感が増します。曲自体に参加スペースを残すことが重要です。
- 一緒に声を出せるフレーズを組み込む → サビに「それ!」「よっしゃ!」など短い言葉
- 手拍子を誘導するリズムを仕込む → 4分・8分拍を基調にした自然なビート
- コール&レスポンスを活用 → 「いくぞ!」「おー!」など掛け合いを配置
例:ある関西チームはサビに「みんなで踊ろう!」を入れたところ、観客席から自然に声が上がり、会場全体が一体感に包まれました。
Step2:リズムで身体を動かす設計
観客の身体が自然に動き出すリズム設計は、物語体験の没入度をさらに高めます。打楽器や低音を生かして身体感覚を刺激しましょう。
- 手拍子しやすいリズムを強調 → 打楽器を前面に出して自然に手が動くビート
- 体を揺らすグルーヴ感を演出 → ベースと太鼓で身体に響く低音を強調
- クライマックスで一斉アクション → 最終サビに簡単な振付を組み込み観客も同じ動きを
例:四国のあるチームはサビに総踊りタイムを自然に組み込み、観客が立ち上がって一緒に踊り始める構成にしました。SNSでは「初めてでも楽しかった!」という投稿が相次ぎました。
Step3:「余白」で参加意欲を高める
すべてを詰め込まず、一瞬の「間」を意識的に残すことで、観客が声を出したり体を動かしたりする余地を演出します。
- 掛け声を観客に任せる → 曲内に一部フレーズを空けて声を託す
- 一瞬の無音で期待感を煽る → サビ直前に音を止めて呼吸を揃える
- 観客参加型振付を設計 → サビに両手を上げるだけの簡単動作を組み込む
例:北海道のあるチームではサビ直前の掛け声をあえて曲に入れず、観客が自然と声を上げる瞬間を生み出しました。
Step4:SNS拡散を意識した参加型曲設計
SNS時代は一瞬の映像が拡散されることで新たな観客を呼び込みます。動画映えするポイントを曲に組み込みましょう。
- 口ずさめるサビを設計 → 動画視聴者が真似したくなるキャッチーなフレーズ
- 振付と決めポーズを同期 → 動画映えする「決めポーズ」を曲とシンクロ
- 掛け声を一体感シンボルに → 短い掛け声の繰り返しでSNS上の共感を誘発
例:関東のあるチームがサビに「飛べ!」を入れ、観客も一緒にジャンプする演出を仕込んだところ、SNSで拡散し翌年の観客数が約1.5倍に増加しました。
Step5:仮音源検証で観客体験を最適化
制作段階で複数の仮音源を用意し、観客目線で体感検証を繰り返すことで、本番の巻き込み力を高めます。
- サビで自然に手拍子が起きるか確認
- 掛け声を観客が言いやすいか試す
- 動画で映える「決めどころ」があるか検証
仮音源をチームで踊りながら試すことで、観客を巻き込む最適な曲設計が完成します。
井村淳也からのひとこと|観客を物語の共演者に変える曲設計
観客は「見る人」ではなく、一緒に物語を体感する「共演者」です。設計段階から参加を促す仕掛けを取り入れることで、演舞は“体験”へと昇華します。
- 観客が自然に声を出せる余白を作る
- 身体を動かすリズムと振付を連動させる
- SNSで拡散される決めポーズと掛け声を仕込む
制作現場から学ぶよさこい曲世界観づくりの成功事例|550曲超の実績で証明
よさこい曲の世界観は、机上の設計だけでは完成しません。実際の制作現場でチームと試行錯誤を重ねるプロセスから、本当の物語体験が生まれます。550曲以上の制作実績から得た、世界観づくりに成功した3つの事例をご紹介します。
事例1:老舗チームが挑んだ原点回帰の世界観
- チームの想い: 地域に根ざした活動を継続, 支えてくれた観客や仲間への感謝, よさこいらしさの再定義
- 曲づくりの工夫: 篠笛と和太鼓を中心に据えた伝統寄りの音設計, サビの歌詞は「ありがとう」「つなぐ」を最小限に反復, クライマックスで地域名を叫ぶ掛け声を配置
結果、本番では観客席から自然に「ありがとう!」の声が返り、「30年の歴史を音で感じられた」「原点に立ち返る演舞だった」という感想が多く寄せられました。
事例2:若手チームが描いた未来志向の世界観
- チームの想い: メンバー平均年齢20代前半, よさこいにポップカルチャー融合, SNS映えを意識
- 曲づくりの工夫: 和楽器に加えEDMサウンドとシンセを大胆導入, サビは「GO!」を繰り返し観客参加を誘発, クライマックスで全員ジャンプ演出を仕込んで動画映え強化
本番では観客席から一斉にスマホが掲げられ、「未来的でカッコいい」「鳥肌が立った」という投稿がSNSに多数。公式SNSフォロワー数は前年の2倍に増加し、音楽・踊り・SNS戦略が融合した成功事例となりました。
事例3:「物語で泣かせる」復興チームの感動演出
- チームの想い: 被災地域の未来への希望を届ける, 支えてきた人々への感謝を表現, 観客に共に生きる力を感じてほしい
- 曲づくりの工夫: 静かなピアノと篠笛で祈りを込めたイントロ, サビに「生きる」「つなぐ」を反復配置, アウトロで実際の子どもたちの声を重ねて未来への希望を象徴
本番、踊り手も観客も涙ぐむほどの感動が会場を包み、「物語が伝わった」「涙が止まらなかった」と強い共感を生み出す曲になりました。
世界観づくり成功の共通ポイント
- チームの想いを徹底的に言語化する → 表面的テーマではなく、裏にある物語を深掘り
- 音・踊り・ビジュアルを一体で設計する → 曲単体ではなく衣装やフォーメーションと連動
- 観客を巻き込む仕掛けを組み込む → 掛け声・手拍子・SNS映えなど体験型設計を意識
これらを押さえることで、曲は単なるBGMではなく、観客を物語に誘う「体験そのもの」になります。
まとめ:曲で物語を描く発想
- チームの想いを音に翻訳する
- 音色・リズム・歌詞で世界観を描く
- 観客を巻き込んで物語を共有する
よさこいソングメーカーでは、この考え方を軸に550曲以上の制作実績を活かし、「そのチームだけの世界観」を音で可視化する曲づくりを行っています。



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