
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表、制作者の井村淳也です。
色鮮やかな衣装、力強い掛け声、鳴子の響き──よさこいの舞台は、音楽なしには成立しません。
しかし、その「音」は単なるBGMではなく、チームの物語や理念を形にし、観客を一体感へと導く大切な存在です。
私は2008年の独立以来、全ジャンルで1,200曲以上、うち550曲以上のよさこい楽曲を制作してきました。
その現場で実感してきたのは、「踊るための曲」ではなく「チームの想いを背負う曲」を作ることの価値です。
この記事では、よさこい曲が生まれる過程を、依頼から納品まで具体的に解説します。
これから制作を依頼する方も、自分たちで曲作りに挑戦する方も、プロの現場で何が行われているのか、その裏側を覗いてみませんか。
なぜ今注目されるよさこい曲制作の重要ポイント
よさこいソーランという言葉を耳にして、色鮮やかな衣装、力強い掛け声、鳴子の音が響き渡る光景を思い浮かべる方も多いでしょう。全国各地でよさこい祭りが開催され、地域の誇りや文化を背負ったチームが舞台に立つ──そんな姿は日本の夏の風物詩の一つになっています。
私は2008年から音楽制作を本業とし、その中で17年間、1200曲以上の楽曲制作、特によさこいに関しては550曲以上の制作に関わってきました。なぜこれほど長く、そして深くこのジャンルに関わり続けてきたのか。それは、よさこい曲が単なる「踊るためのBGM」ではなく、チームの物語と情熱そのものを形にする作品だからです。
近年、AIや音楽制作ソフトの進化によって、誰でも手軽に音楽を作れる時代になりました。実際、打ち込みソフトやサンプル音源を駆使すれば、ある程度“それっぽい”曲は短時間で完成します。しかし、よさこい楽曲の世界はそんなに単純ではありません。そのチームらしさをどう音で表現するか、地域や演舞の背景をどう一曲に落とし込むか、そして舞台で映えるかどうか。ここには、プロの経験と感性が不可欠です。
また、よさこい楽曲は時代とともに進化してきました。2000年代は和太鼓や三味線を全面に押し出した伝統型が主流でしたが、2010年代にはロック、EDM、ヒップホップ要素を融合した斬新な曲も増加。コロナ禍を経てイベントが再開されたいま、再び多様なアプローチが求められています。つまり、過去の型を踏襲するだけでは通用しない時代に入っているのです。
さらに、チームの構成や活動方針も多様化しています。かつては地元の祭りに合わせた年1回の発表が中心でしたが、いまは動画配信やYouTube公開を前提に楽曲を制作するチームも珍しくありません。現地観客だけでなく、オンラインの視聴者にも響く曲作りが求められるのです。これは、音の設計からミキシングの仕方、さらには映像とのマッチングまで考える必要があるということです。
私がここで「今こそよさこい曲制作を語る」と言う理由は、このような時代の変化の中で、プロがどうやって曲を作っているのか、その裏側を知っていただくことが、チームの成功にもつながるからです。制作の流れや考え方を理解すれば、依頼する側もより明確なビジョンを持てますし、結果としてより良い作品が生まれます。
この記事では、よさこい楽曲制作の現場を、依頼の最初から納品まで、できる限り具体的にお話しします。単なる手順説明ではなく、「なぜその工程が必要なのか」「どこに時間と情熱を注いでいるのか」という背景も含め、リアルなプロセスを共有します。これから依頼を検討しているチームの方、あるいは自分たちで曲を作ろうと考えている方にとっても、参考になるはずです。
長年の経験の中で私が一貫して大切にしてきたのは、「誰よりもそのチームのことを理解し、その想いを音で表現すること」。だからこそ、制作開始前のヒアリングから細部の調整まで、対話を重ねることを惜しみません。この姿勢こそが、既製品では決して得られない感動を生み出すと信じています。
次のセクションからは、具体的に「制作依頼はどのように始まるのか」について、実際の現場の流れを交えてご紹介していきます。あなたのチームの物語が、どのようによさこい曲として生まれ変わるのか。その旅の始まりをご一緒に覗いてみましょう。
よさこい曲制作プロセスの始まり:チームヒアリングで方向性を確立
よさこい曲制作は、最初からメロディやリズムを形にするのではなく、チームとの深い対話からスタートします。このフェーズで得た情報や印象が、その後の楽曲ジャンル選定やサウンドデザインのすべてを決定づけます。
初回ヒアリングで把握するチーム情報
- メンバー構成(平均年齢・男女比・拠点地域)
- 活動歴と練習頻度
- チームの理念や演舞テーマ
たとえば、平均年齢が高めのチームなら体力面に配慮し、テンポや振付との相性に注意します。若いメンバーが中心ならダイナミックな高速テンポやジャンプ動作を活かしたアレンジが映えるでしょう。理念やテーマは楽曲のジャンル選びにも直結します。
チームエピソードを活かす楽曲ストーリー構築
チーム結成のきっかけや活動中の印象的出来事を引き出すことで、歌詞や曲のストーリーに深みが生まれます。たとえば、地域の高校生が「町を元気にする」思いで始めたチームなら、ブラスサウンドの導入やコーラスで一体感を演出するなど、具体的なアイデアが生まれます。
依頼背景に応じた制作アプローチの確認
| 依頼目的 | 制作アプローチ |
|---|---|
| 初めてのオリジナル曲 | 覚えやすさと演舞との一体感重視 |
| 既存曲の刷新 | 新しいイメージを反映したサウンド選定 |
| 大会での入賞を狙う | インパクトと音響面での差別化に注力 |
安心して依頼できる制作環境の整備
- 後払い対応や制作途中での試聴確認
- 柔軟なリテイクポリシー
- 随時コミュニケーションが取れる体制
初めての依頼でも安心して進められるよう、経験に基づく仕組みを整えています。これにより早期に信頼関係を築き、制作をスムーズに進行させます。
信頼関係構築で制作クオリティを最大化
単なる制作者と依頼者の関係を超えて「同じ舞台を作る仲間」となることを目指します。この一体感が完成曲のクオリティと、制作過程のモチベーション維持に大きく寄与します。
次のセクションでは、ここまでの対話をもとにBPMや構成、テーマ設定といった曲の骨格を具体的に決めるプロセスをご紹介します。
よさこい曲制作 構成とテーマ設計で楽曲の骨格を固める
最初のヒアリングで得た情報をもとに、曲全体の流れやテンポ感、テーマ性を具体化します。ここで骨格がしっかりと固まらないと、どれだけ音を重ねても躍動感や説得力のある楽曲にはなりません。
BPMと拍子の決定
踊りやすさに直結するテンポは、チームの年齢層・演舞スタイルに合わせて設定します。一般的なよさこいはBPM120〜150ですが、演出意図に応じて変動させます。
| 演舞スタイル | 推奨BPM |
|---|---|
| ジャンプや激しいステップ多用 | BPM145〜150 |
| 優雅でしなやかな振付重視 | BPM120〜130 |
| 変拍子やリズムチェンジを活かす | 4拍子ベース+部分的に3拍子・変拍子 |
曲構成で緩急とストーリーを演出
よさこい曲の基本構成は「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→サビ→アウトロ」。大会制限時間やチームストーリーに合わせ、緩急をつけて観客を引き込みます。
- 冒頭でテーマ提示→中盤で静かなパート→終盤にクライマックス
- 「最初の10秒で引きつける」インパクト重視のフレーズや掛け声
- 動画映えを意識した冒頭構成
テーマ設定で情緒と物語の軸を構築
チームの理念や地域の歴史、演舞ストーリーからキーワードを抽出し、楽曲全体の情緒や物語を決定します。テーマに応じてサウンドデザインや効果音を選び、統一感を持たせます。
- 「海」:波音SE・揺れ動く旋律
- 「勇気」:ブラス強調・上昇感のあるメロディ
- 「復興」:太鼓とコーラスで力強いエモーション
屋外舞台を意識したサウンド設計
よさこいは屋外演舞が多いため、反響や音の広がりを想定して音作りを行います。低音を強めに、ボーカルや掛け声を抜けやすくミックスするなど、現場で映える設計が必須です。
チームとの構想共有と早期合意形成
- デモ音源や構成図を提示しながらイメージを共有
- 複数パターン提案で選択肢を確保
- 早期のフィードバックで後工程の手戻りを防止
骨格が固まれば、次は和楽器・洋楽器・打ち込みといった具体的な音選択とアレンジ工程に移ります。
よさこい曲制作における音の選択とアレンジで魅せる迫力サウンド
よさこい曲の魅力は、何といっても音の多様性と迫力にあります。和太鼓や三味線といった伝統的な和楽器、ブラスやエレキギターといった洋楽器、さらには打ち込みによる現代的なビートまで──これらが一つの曲の中で共存し、融合することで独自の世界観が生まれます。ここでは、その音作りのプロセスと工夫について、現場目線でお話しします。
和楽器で演出する迫力のあるリズムとメロディ
- 和太鼓:低音で演舞の重心を支え、屋外ステージで観客の体に響かせる
- 三味線:独特の間と音色で和の旋律を強調し、他楽器では出せない存在感を演出
- 篠笛:高音域で空気感を広げ、会場全体に明るさと開放感をもたらす
洋楽器と和楽器のバランス調整で融合を図る
- ブラスセクション(トランペット・トロンボーン・サックス):サビやクライマックスで華やかさを追加
- エレキギター:ロック調の勢いや疾走感を付加し、観客のテンションを一気に引き上げる
- バランス調整:和楽器の雰囲気を損なわず、洋楽器の現代感を効果的に取り入れる音量・音域設計
打ち込みビートで現代的なエネルギーを追加
- シンセベース:安定した低音の厚みを補強し、屋外ステージでも抜けやすいサウンドを実現
- 電子ドラム:EDMやヒップホップライクなリズムを導入し、映像・SNS映えを狙う
- 人間味の演出:生太鼓や手拍子を重ね、打ち込みの機械的な正確さに揺らぎを加える
効果音でテーマを際立たせる演出テクニック
- 波の音:海をテーマにした曲でイントロに入れ、情景を瞬時に描写
- 鳥のさえずり:自然や開放感を表現し、間奏でリスナーの想像力を刺激
- 鐘や花火の音:祭りの高揚感を演出し、物語性を強化
アレンジプロセスのステップとブラッシュアップ
- 骨格に沿って主要楽器を配置し、曲全体の流れを確認
- メインメロディを和楽器または洋楽器でどちらが映えるか検討
- リズム隊(打楽器・打ち込み)の構築で躍動感を作り出す
- 補助的な装飾音や効果音を追加し、聴きどころを演出
- 全体を通して試聴し、不要な要素を削って“余白”を残す
次のセクションでは、歌詞とボーカル制作のプロセスについて解説します。チームの想いを言葉に変え、声で届ける過程が感動を生み出す重要ポイントです。
よさこい楽曲制作で歌詞とボーカルを活かしてメッセージを届ける
歌詞とボーカルは、単なる装飾ではなく、チームの想いを観客に直接届ける最も強力な手段です。楽器が感情の色合いを描くなら、歌詞とボーカルはその感情を言葉として結晶化させる役割を担います。
歌詞制作の出発点 ヒアリングキーワードからストーリー構築
歌詞制作は、地域の伝統や絆、挑戦、復興などのヒアリングキーワードやエピソードを核に始まります。曲の流れに沿って、一貫したストーリーを言葉で形にします。
よさこい歌詞の特徴は、力強く直接的で覚えやすい表現です。観客席の後方にも届く言葉選び、口ずさみやすいフレーズ、リズムに乗せやすい語感を重視します。
イントロや間奏の口上は、チーム名やテーマを宣言し演舞の空気を一瞬で作り上げます。口上の内容や声のトーンもチームと相談しながら練り上げます。
チーム独自の言葉を歌詞に取り入れて個性を強化
チームならではのスローガンや地域の方言、地名、特産品などを織り込むと「このチームらしさ」が伝わります。
ある四国チームでは古い方言を取り入れたところ、地元の観客が大きな拍手と歓声で応えました。このような瞬間は既製の曲では生まれません。
ボーカルの役割 メロディコーラス掛け声で演舞を盛り上げる
- メロディパート:観客の耳に残るキャッチーな旋律を歌う
- コーラス:厚みと広がりを加え掛け合いで高揚感を演出
- 掛け声・シャウト:演舞のテンションを一気に引き上げる
曲の性格に合わせて、ボーカル人数や男女比、声質を調整します。男声コーラスで迫力を出すこともあれば、女性ボーカルで優雅さを表現することもあります。
録音と表現の工夫 屋外ステージを想定したミキシング
録音では、掛け声をオーバー気味に収録し観客席まで届く声量を確保します。強調したい言葉はリズムを少し前に出して勢いを付けます。
ミキシングではリバーブやエコーを調整し、屋外会場でもクリアに聞こえるようにします。打ち込みビートや和楽器とのバランスも再確認し、歌詞が埋もれないようにします。
歌詞とボーカルが生む観客への感動と一体感
歌詞と言葉の力は、観客の心を震わせます。大会や祭りの最後の決めポーズで歌詞がクライマックスを迎える瞬間は、鳥肌が立つほどの一体感を生み出します。
次のセクションでは、全パートをまとめ上げる仕上げと納品のプロセスを解説します。本番の舞台で最高のパフォーマンスを引き出すための最終工程を紹介します。
よさこい曲制作の仕上げと納品で舞台演出を完成させる
楽曲の骨格が完成し、和楽器・洋楽器・打ち込み・ボーカルなどすべての要素が揃った段階でも、制作はまだ終わりではありません。むしろここからが、本番の舞台で最高のパフォーマンスを発揮できるかどうかを左右する最終調整のフェーズです。
ミキシングで音のバランスを整える
各楽器やボーカルの音量・音質・定位を調整し、一体感のあるサウンドに統合します。屋外会場を想定し、和太鼓の低音は厚みを持たせつつも中高域のメロディやボーカルがクリアに抜けるようにバランスを追い込みます。
マスタリングで音圧を最大化
マスタリングでは曲全体の音圧や音質を最終調整します。どんなスピーカーや会場でも迫力が損なわれないよう、屋外演舞で響く低音と会場を包み込む中高域のバランスを重視し、配信用の音量規格にも対応させます。
チームへの試聴確認
- 最終版データを共有し、振付タイミングや構成とのズレを細かくチェック
- 間奏の長さやサビの繰り返し回数など演舞に直結する要素を確認
- 必要であれば納品直前でも柔軟に修正対応
このプロセスで「自分たちだけの曲」という実感が高まり、本番へのモチベーションがさらに上がります。
納品形式と配慮
- CDやデータ(WAV/MP3)形式で納品
- 大会エントリー用の指定フォーマットや音質に対応
- 練習用のテンポ落とし版やインストバージョンを用意
本番での響きを想定した余白作り
屋外演舞では観客の歓声や鳴子の音も“楽器”として機能します。あえて音を詰め込みすぎず、効果音や掛け声が自然に響く余白を残すことで、一体感ある演出が生まれます。
納品後のフォロー
本番後の感想や改善点をヒアリングし、次回制作に活かします。継続的な信頼関係から、17年間で1200曲以上のご依頼をいただいてきました。
次のセクションでは、全工程を通して貫く「制作哲学」を掘り下げます。チームと共に舞台を創り上げる姿勢が、なぜ結果につながるのかをご紹介します。
よさこい曲制作まとめとプロが大切にする3つのポイント
よさこい曲制作は単なる楽曲作成を超え、チームの理念や歴史、活動背景を音に翻訳し、舞台上で最大限に輝かせるプロセスです。17年間で1,200曲を手がけた経験から、一貫して重視している要素をまとめます。
対話と信頼関係構築の重要性
良い楽曲は、継続的なヒアリングと深い対話なしには生まれません。チームの本音や細かなニュアンスを引き出し、「制作者」としてだけでなく「舞台を共に作る仲間」として伴走することで、完成度と満足度が格段に高まります。
チームに寄り添う柔軟性とサポート体制
- 予定外の変更や追加要望にも「どうすれば可能か」を考える姿勢
- 後払い対応や制作途中の試聴確認で安心感を提供
- 練習用テンポ違い版やインスト版など、多彩な納品フォーマット
舞台で映える音作りと余白のデザイン
屋外演舞や動画配信を想定し、和楽器・洋楽器・SEのバランス、音圧調整、そして歓声や鳴子が響く余白を意図的に残します。この細部へのこだわりが、観客の一体感と感動を生み出します。
制作者選びがよさこい楽曲の成果を左右する理由
同じジャンルでも、制作者の視点や経験で仕上がりは大きく異なります。ヒアリング力・分析力を武器に「チームの一員」として関わる覚悟が、作品のクオリティを底上げします。
チームだけのオリジナル答えを共に探すスタンス
よさこい楽曲には型がありますが、その中に込める答えはチームごとに異なります。すでに答えを持つのではなく、依頼者と一緒に探しにいくプロセスこそが「あなたのチームだけの作品」を生み出す鍵です。
17年間で1,200曲を作り続ける制作哲学
音楽制作は地道な積み重ねですが、舞台で曲が鳴り響き、観客と踊り手が一体となる瞬間こそがこの仕事の醍醐味です。その一瞬のため、これからもチームと共に曲を作り続けます。
「うちのチームの物語も形にしてみたい」と思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたのチームだけの答えを一緒に探すところから始めましょう。



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