AIには作れない「魂の響き」。550曲と歩んだ17年から見る、人にしか作れないよさこい楽曲の正体とは?

なぜ「良い曲」だけでは勝てないのか?入賞チームが実践する楽曲設計の秘密

よさこいで「強い演舞」を作るには、単なる盛り上がりだけでなく緻密な「楽曲設計」が不可欠です。

これまで550曲以上の制作に携わってきた井村淳也が、感覚に頼らない楽曲構成の理論を徹底解説します。冒頭10秒の役割や、記憶に焼き付く緩急の付け方など、審査員や観客に「伝わる」構造を具体的に分解。

チームの個性を引き出し、演舞を次のステージへ引き上げるための設計指針をお届けします。

代表兼制作者・井村淳也が動画で皆様にご説明いたします。


AIには作れない「魂の響き」。550曲と歩んだ17年から見る、人にしか作れないよさこい楽曲の正体とは?

皆さんこんにちは!ソングメーカー代表、井村淳也です。

AIで音楽を作ることが、以前よりもずっと身近な時代になりました。メロディや伴奏、雰囲気のある楽曲を短時間で形にできるようになり、音楽制作の可能性は大きく広がっています。

一方で、よさこい楽曲の制作現場に長く関わってきた立場から見ると、どうしても感じることがあります。それは、整っている曲と、チームの思いが本当に届く曲は違うということです。

よさこいの曲には、チームの歴史、地域への思い、踊り子の熱量、代表者の迷いや願いが込められています。そうした言葉になりきらないものを、対話を重ねながら少しずつ音に変えていくところに、オーダーメイド制作の価値があります。

私は17年間、550チーム以上のよさこい楽曲制作に向き合う中で、そのことを何度も実感してきました。今回の記事では、AI作曲が広がる今だからこそ見えてくる、人にしか作れないよさこい楽曲の正体について考えていきます。

AIで作れる曲と「届く曲」は何が違うのか

AIは“それっぽい正解”を出すのが得意

AIによる作曲は、非常に優れた面を持っています。例えば、和風の雰囲気、盛り上がるサビ、テンポ感のある構成など、条件を与えれば短時間で“それらしい曲”を形にすることができます。

構成も整っている。和楽器も入っている。後半に盛り上がりもある。そうした意味では、AIは音楽的なパターンを組み立てることがとても得意です。

特によさこい楽曲のように、ある程度定番の要素があるジャンルでは、和太鼓、三味線、琴、尺八、掛け声、クライマックスといった要素を組み合わせることで、見た目にはかなり完成度の高い曲に近づくこともあると思います。

ただし、それはあくまで“それっぽい正解”です。形として整っていることと、そのチームに本当に届くことは、同じではありません。

でも「なぜそれをやるか」がない

AIが作る曲にどうしても不足しやすいのは、「なぜその音なのか」という文脈です。

なぜここで和太鼓を鳴らすのか。なぜこの場面で静かにするのか。なぜこのメロディで感情を上げていくのか。そこには本来、チームごとの背景やテーマ、演舞の流れ、踊り子の思いが関係しています。

音楽的には自然でも、そこに意図がなければ、曲はどこか薄くなります。盛り上がっているのに残らない。和風なのに深く刺さらない。整っているのに、なぜか自分たちの曲という感じがしない。そうした違和感は、文脈の薄さから生まれることがあります。

よさこい曲に必要なのは、単に「ここで盛り上げる」という判断ではありません。誰のために、何を伝えるために、そこで盛り上げるのかという意図です。

よさこいは“誰かの思いを背負う音楽”

よさこい楽曲は、ただ踊るためのBGMではありません。そこには、チームの歴史や地域への思い、代表者の願い、踊り子一人ひとりの熱量が重なっています。

同じ「力強い曲にしたい」というご依頼でも、その背景はチームによってまったく違います。地域を盛り上げたいのか。新体制で再出発したいのか。長く続けてきたチームの節目を表現したいのか。その違いによって、作るべき曲も変わります。

また、よさこいは人間関係の中で作られる表現でもあります。代表者、振付師、踊り子、スタッフ、地域の方々。多くの人の思いが交差する中で、一つの演舞が形になっていきます。

だからこそ、よさこい楽曲には“誰かの思いを背負う音楽”としての重みがあります。ここが、AIで整えられた曲との大きな違いです。

技術的に整っているかどうかだけではなく、その曲にどれだけチームの背景や思いが宿っているか。そこにこそ、人が作るよさこい楽曲の価値があるのだと私は考えています。

17年・550チームで確信したこと

同じ依頼は一つもなかった

17年間、550チーム以上のよさこい楽曲制作に関わってきて、まず強く感じているのは、同じ依頼は一つもなかったということです。

例えば「盛り上がる曲にしたい」というご要望は非常によくあります。ですが、その中身を掘り下げていくと、同じ意味で使われていることはほとんどありません。

あるチームにとっての「盛り上がり」は、力強さや圧のある音かもしれません。別のチームにとっては、感動的な広がりや一体感かもしれません。また別のチームでは、スピード感や勢いそのものを指していることもあります。

同じ言葉でも、その背景にある思いや目的はまったく違います。だからこそ私は、言葉だけをそのまま受け取るのではなく、その言葉の中身を一つずつ確認していくことを大切にしています。

よさこい楽曲はテンプレートで作れるものではありません。チームごとに違うものを、違う形で表現する必要があります。ここが、人が関わる意味の一つだと感じています。

言葉にならない依頼がほとんど

実際の制作では、最初から具体的に言語化されたご要望が来ることは、むしろ少ないです。

「なんとなくこういう雰囲気にしたい」
「もう少し熱い感じにしたい」
「うまく言えないけど、今のままだと違う気がする」

こうした、ふわっとした要望や感覚的な表現が出てくることがほとんどです。

これは決して問題ではありません。むしろ自然なことだと思っています。音楽は感覚に近い領域なので、最初から明確な言葉にすることのほうが難しいからです。

ただ、この状態のまま制作を進めると、どこかでズレが出てきます。だからこそ、その「言葉になっていない部分」をどう扱うかが重要になります。

私はここを、単に解釈するのではなく、一緒に整理していく作業だと捉えています。少しずつ言葉にし、少しずつ方向を明確にしていく。その積み重ねが、最終的な完成度に大きく影響します。

対話の中で初めて本音が見える

そして実際には、最初に出てきた要望がそのまま最終形になることはほとんどありません。制作が進み、途中音源を聴いていただき、修正ややり取りを重ねる中で、本音や本当に求めているものが少しずつ見えてきます

「最初はこう言っていたけど、やっぱり違う気がする」
「この部分はもっと前に出したい」
「ここは逆に引いたほうがいいかもしれない」

こうした変化は、制作の中で自然に起きてきます。そしてこの過程こそが、よさこい楽曲をそのチームのものにしていくための最も重要な部分です。

修正という言葉を使うと、最初の案が間違っていたように聞こえるかもしれませんが、私はそうは考えていません。むしろ、対話と修正の積み重ねそのものが価値だと思っています。

AIは一度で答えを出すことはできますが、この「やり取りの中で深まっていくプロセス」は持ちません。
よさこい楽曲において本当に必要なのは、完成された正解ではなく、チームの思いに近づいていく過程です。

だからこそ私は、制作の中での対話をとても大切にしています。そこにしか生まれない音があり、そこにしか宿らない価値があると、17年の経験の中で確信しています。

「整っているのに、なぜか自分たちの曲だと思えない」
その違和感は、チームの思いや背景がまだ音に乗りきっていないサインかもしれません。

AIでは再現できない「泥臭さ」の正体

一発で決まらないから深くなる

よさこい楽曲の制作は、最初の一案で完成することはほとんどありません。むしろ多くの場合、試行錯誤を重ねながら少しずつ形になっていくものです。

「思っていたのと少し違う」
「ここはもっとこうしたい」
「今の流れだとしっくりこない」

こうしたズレは、制作の中で必ずと言っていいほど出てきます。そして、そのズレをどう扱うかによって、楽曲の深さが大きく変わります。

一見すると遠回りに見えるこの過程ですが、実はこの中でしか見えてこないものがあります。最初のイメージをそのまま形にするだけでは辿り着けない領域に、修正や対話を通して少しずつ近づいていく。

だからこそ私は、「一発で決まらないこと」は弱さではなく、深さに変わっていくプロセスだと考えています。

感情のブレがあるからリアルになる

AIが作る音楽は、非常に整っています。構成も安定していて、破綻も少ない。いわば“綺麗にまとまった音楽”です。

一方で、人が関わる制作には、どうしても感情の揺れやブレが生まれます。

途中で迷うこともあれば、方向を変えることもある。ある部分を強く押し出したくなるときもあれば、逆に引きたくなるときもある。こうした変化は、効率だけを考えれば無駄に見えるかもしれません。

ですが、このブレこそが音にリアリティを与えます。完全に整ったものではなく、少し引っかかりがある。少し予想と違う展開がある。そうした部分があるからこそ、聴く側の感情が動きやすくなります。

つまり、完璧ではないからこそ刺さるという側面が、よさこい楽曲には確かにあります。これは人が関わるからこそ生まれるものです。

作る過程そのものが作品に乗る

よさこい楽曲の大きな特徴の一つは、完成した音だけでなく、そこに至るまでの過程がそのまま作品に乗ることだと思っています。

制作の中で交わされる会話。
少しずつすり合わせていく方向性。
「ここはこれでいこう」と決める瞬間。
そうした積み重ねの中で、チームとの関係性や空気が形になっていきます。

完成した音源だけを切り取れば、その背景は見えないかもしれません。ですが、実際に演舞として披露されたとき、その空気は確実に伝わります。どこか一体感がある。どこか納得感がある。そう感じる曲には、必ずその過程があります。

私はこの部分こそが、いわゆる「魂の響き」と呼ばれるものの正体に近いのではないかと考えています。

技術だけでは説明できない部分。
でも確実に違いとして現れる部分。
それは、音の中に関係性や時間が積み重なっているからです。

この“泥臭さ”とも言えるプロセスは、効率化された制作ではなかなか再現できません。だからこそ、人が関わる意味があり、そこにしか生まれない価値があるのだと思っています。

“魂の響き”はどこで生まれるのか

溜め・迷い・決断が音に出る

よさこい楽曲の中で「何かが違う」と感じる瞬間は、音そのものの派手さではなく、その裏にある過程に起因していることが多いと感じています。

どこで溜めるのか。どこで一度引くのか。どのタイミングで山場を作るのか。こうした構成の判断は、単なる理屈だけで決まるものではありません。

制作の中では、必ず迷いが生まれます。
「ここで一気に行くべきか」
「もう一段溜めたほうがいいか」
「このまま押し切るか、それとも一度引くか」

その迷いの中で選び取った判断が、最終的な音にそのまま現れます。そしてその選択がしっかりと積み上がっている曲ほど、聴いたときに自然な流れと説得力を感じます。

つまり、構成や山場は単なる設計図ではなく、溜め・迷い・決断の積み重ねが形になったものです。その過程があるからこそ、音に深さが生まれます。

最後の1%は論理では詰めきれない

ある程度までは、構成や理論で詰めることができます。テンポ、展開、音の配置、緩急の設計。こうした要素は、経験を積めば再現性を持って組み立てることができます。

ですが、最終的に「届くかどうか」を分けるのは、いつも最後の1%です。

ここは論理だけでは詰めきれません。
「なんとなくこのほうが良い気がする」
「ここはもう一歩踏み込んだほうがいい」
そうした感覚や直感、そして現場での判断が必要になります。

制作を続けていると、この最後の1%の違いが、全体の印象を大きく変えることを何度も経験します。ほんの少しのタイミング、ほんの少しの音の変化で、曲の“届き方”が変わる。

この領域は、効率化や最適化だけでは辿り着きにくい部分です。だからこそ私は、最後の仕上げの段階ほど、感覚と直感を信じることを大切にしています。

「この曲でいく」と決めた瞬間

制作の中には、ある瞬間があります。それは、何度も試行錯誤を重ねたあとに、「この曲でいこう」と決める瞬間です。

それは理屈で完全に説明できるものではありません。
「これならいける」
「この形が一番しっくりくる」
そう感じられる状態にたどり着いたとき、初めて楽曲は一つの完成形になります。

このときには、迷いがなくなっています。選択した構成も、山場も、すべてが一本の流れとしてつながり、チームとしての方向性とも一致している状態です。

そこには、ある種の覚悟があります。そして同時に、関わった人たちの中に一体感が生まれます。

私はこの瞬間にこそ、“魂の響き”と呼ばれるものが宿るのではないかと感じています。

技術だけでは作れないもの。
理論だけでは到達できないもの。
それは、迷い、選び、決めてきた過程の先にしか生まれません。

そしてその積み重ねがあるからこそ、完成した曲はただの音ではなく、チームの意思を乗せた一つの表現として、観る人に届いていくのだと思います。

「形にはなったけれど、何かが違う」を、そのままにしていませんか

この記事を読んで、
「AIで作ってみたけれど、しっくり来なかった」
「整っているのに、自分たちの曲という感じがしない」
と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その違和感は、曲の良し悪しだけではなく、
チームの思いや背景が、まだ音として整理されていないこと
から生まれているのかもしれません。

よさこい楽曲に必要なのは、単に盛り上がることではありません。
誰の思いを乗せ、どんな演舞として届けたいのか。
そこを整理することから、チームらしい一曲は生まれていきます。

チームの思いを一度整理してみる

下のフォームは、「メールアドレス」と「お名前」「一言」だけで送れます。
まだ方向性がまとまっていなくても大丈夫です。

  • AIで作ってみたが、どこかしっくり来ない
  • チームらしさをどう曲にすればいいかわからない
  • 演舞の方向性や曲の構成を一緒に整理したい
チームらしさは、対話の中で少しずつ音になっていきます

よさこい楽曲の思い整理フォーム

    「依頼するかどうか分からないけど、とりあえず気になることを聞いてみたい」
    「こんな内容で頼みたい場合は、どうすればいいんだろう?」
    そんなお気持ちで構いません。わかる範囲でご入力ください。


    LINEでのお問合せはこちら
    LINEでのお問合せはこちら

    ※営業は一切行いません。まずは、チームの思いや演舞の方向性を整理するところからご一緒します。
    ソングメーカー代表
    井村淳也が直接お話を伺います。

    ソングメーカーの制作スタイルがAIと違う理由

    最初から完成を目指さない

    私の制作スタイルは、最初から「完成形」を一発で作ることを前提にしていません。むしろ最初の段階では、仮説としての形を一度出すという意識で作っています。

    もちろん、これまでの経験からある程度の方向性は見えています。構成の組み方、盛り上げの作り方、和楽器の配置など、ベースとなる設計は持っています。

    ただ、それがそのままそのチームにとっての正解になるとは限りません。

    だからこそ私は、最初の音源を「完成品」ではなく、対話を進めるための出発点として位置づけています。

    実際に音として聴いてみることで、初めて見えてくるものがあります。
    「ここはもう少しこうしたい」
    「この方向は合っている」
    「思っていたより違う」

    こうした反応を受けて、少しずつ形を調整していく。そのプロセスを前提にしているからこそ、結果としてチームに合った曲に近づいていきます。

    修正前提で進める

    ソングメーカーでは、修正前提で制作を進めています。これは単に対応回数の問題ではなく、制作の考え方そのものです。

    多くの場合、最初の段階で100%イメージが一致することはありません。むしろズレがあることのほうが自然です。そのズレをどう扱うかが、最終的な完成度を大きく左右します。

    だから私は、そのズレを修正する対象としてではなく、より良い形に近づくためのヒントとして捉えています。

    「もう少しこうしたい」という言葉の中には、そのチームにとって本当に大事にしたいポイントが隠れています。それを一つずつ拾い上げていくことで、楽曲の輪郭がはっきりしていきます。

    無制限修正という形を取っているのも、そのためです。回数を制限してしまうと、どうしても途中で妥協が生まれやすくなります。特に大サビや構成のような重要な部分は、最後の調整が印象を大きく変えます。

    ズレを避けるのではなく、ズレを前提にして進める。この考え方が、AI的な“一発で整える制作”との大きな違いだと感じています。

    言葉にならない思いを拾う

    よさこい楽曲の制作で、最も重要だと感じているのは、言葉にならない思いをどう拾うかです。

    ヒアリングの中で出てくる言葉は、必ずしもそのままの意味で使われているとは限りません。
    「もっと熱くしたい」
    「もう少し感動的にしたい」
    そうした表現の裏には、それぞれ異なる背景やイメージがあります。

    私はその言葉をそのまま形にするのではなく、何を感じてほしいのか、どんな状態を作りたいのかを読み取ることを意識しています。

    そして、それを音楽という形に置き換えていく。
    このプロセスは、単なる作曲というよりも、翻訳に近い作業だと感じています。

    言葉から音へ。
    思いから構成へ。
    感覚から具体的な形へ。

    その橋渡しをすることが、自分の役割だと思っています。

    AIは与えられた条件をもとに最適な形を出すことはできますが、この「読み取る」「くみ取る」「置き換える」というプロセスは、人が関わるからこそ成り立つ部分です。

    だからこそ私は、制作の中での対話を何よりも大切にしています。そこにしかない情報があり、そこにしかない価値があると考えているからです。

    AI時代に人が作る意味

    便利なものは増え続ける

    これからの時代、AIの進化は止まりません。音楽制作に限らず、さまざまな分野で効率化が進み、短時間で一定のクオリティのものを生み出せるようになっています。

    私はこの流れを否定するつもりはありません。むしろ、便利なものは積極的に使えばいいと思っています。実際、AIによって音楽制作のハードルが下がり、多くの人が表現に触れられるようになったことは、非常に大きな変化です。

    ただし同時に、その中で一つはっきりしてきたことがあります。それは、「作れること」と「届くこと」は別だということです。

    技術が進めば進むほど、一定水準のアウトプットは簡単に手に入るようになります。だからこそ、その先で問われるものが変わってきます。

    だからこそ“人間性”が価値になる

    AIが整った音楽を作れるようになった今、逆に価値として浮かび上がってくるのが、人間が関わることによって生まれる要素です。

    例えば、制作の中でのやり取りから生まれる熱量
    一緒に作っていく中で育まれる関係性
    チームの背景や歴史が積み重なった物語

    こうしたものは、データとして整理することはできても、そのまま音に変換することは簡単ではありません。だからこそ、人が関わることでしか生まれない価値になります。

    音楽そのものの完成度だけであれば、AIとの差はどんどん縮まっていくかもしれません。ですが、「誰が、どんな思いで作ったのか」という部分は、むしろこれからの時代ほど重要になっていくと感じています。

    よさこいは特にそれが問われる

    そして、その中でもよさこいという表現は、特に人間性が問われるジャンルだと思っています。

    よさこいは単なるパフォーマンスではなく、チームという単位で成り立つ文化です。そこには、長く続いてきた歴史や、地域とのつながり、チーム内の関係性があります。

    同じ振付でも、同じ曲でも、チームが違えばまったく別の演舞になります。それは、表面的な要素ではなく、内側にある文化や思いが表現としてにじみ出るからです。

    だからこそ、よさこい楽曲には「そのチームらしさ」が必要です。誰でも使える汎用的な曲ではなく、そのチームだからこそ成立する音であること。そのためには、やはり人が関わる必要があります。

    AIで作れる時代だからこそ、何を選び、何を大切にするのかがよりはっきり問われます。
    よさこいにおいては、その答えはシンプルです。

    誰の思いを乗せるのか。
    どんな表現として届けるのか。

    そこに向き合うことこそが、人が作る意味であり、これからのよさこい楽曲の価値を決めていくものだと私は考えています。

    依頼する側にとっての本当の価値

    曲だけではなく“過程”を買っている

    よさこい楽曲の依頼というと、「完成した曲を手に入れること」が目的に見えるかもしれません。もちろんそれも大切ですが、実際にはそれだけではありません。

    私がこれまで多くのチームと関わってきた中で感じているのは、依頼されているのは曲そのものだけではなく、作っていく過程そのものでもあるということです。

    どんな曲にするのかを考え、話し合い、少しずつ形にしていく。その中でチームとしての方向性が見え、考えがまとまり、演舞全体の軸が固まっていきます。

    つまり、楽曲制作は単なる外注ではなく、チームの表現を一緒に作っていくプロセスです。この体験自体に、大きな価値があると感じています。

    チームの言語化が進む

    制作の過程では、「自分たちは何を表現したいのか」という問いに何度も向き合うことになります。

    最初は曖昧だった思いが、やり取りを重ねる中で少しずつ言葉になっていく。
    「こういう雰囲気にしたい」
    「ここは絶対に外したくない」
    「この部分は自分たちらしさを出したい」

    こうしたやり取りを通して、チームの中にある考えが整理されていきます。

    これは音楽制作の副産物のように見えるかもしれませんが、実際には非常に重要な部分です。言語化が進むことで、振付や演出、チーム全体の動きにも一貫性が生まれます。

    つまり、楽曲制作は音を作るだけでなく、チームの思いを整理し、共有するプロセスでもあります。

    完成したときの納得感が違う

    こうした過程を経て完成した曲は、単に「良い曲ができた」というだけでは終わりません。

    「ここはこういう理由でこの形になった」
    「この展開はあのときの話し合いから生まれた」
    そうした積み重ねがあるからこそ、チームの中に納得感が生まれます。

    この納得感は、演舞の完成度にも直結します。踊る側も、曲の意味や意図を理解しているため、表現に迷いがなくなります。結果として、観る側にも一貫した印象として伝わりやすくなります。

    そして最終的に多くのチームからいただくのが、
    「依頼して良かった」という言葉です。

    それは単に曲の出来だけではなく、ここまでの過程も含めて感じていただいているものだと思っています。

    よさこい楽曲の価値は、完成した音源だけでは測れません。
    そこに至るまでの時間や関係性も含めて、初めて意味を持つものです。

    だからこそ私は、曲を作ることだけでなく、その過程そのものを大切にしています。

    まとめ

    AIでも、曲を作ることはできます。
    構成も整い、雰囲気もあり、一定の完成度を持った音楽は、これからますます簡単に手に入るようになると思います。

    ただ、その中で強く感じるのは、“届く曲”はまったく別のものだということです。

    よさこい楽曲は、単なる音の組み合わせではありません。
    チームの思い、背景、関係性、そして演舞としての表現。
    それらすべてが重なって、一つの形になります。

    だからこそ、そこに人が関わる意味があります。

    誰の思いを乗せるのか。
    どのようにそれを表現するのか。
    その過程をどう積み重ねていくのか。

    こうした一つひとつの選択とやり取りが、最終的に音として現れます。

    私は、その積み重ねの中にこそ、いわゆる「魂の響き」が生まれるのだと感じています。

    魂とは、特別な技術のことではありません。
    関係性の中で生まれるもの
    だと思っています。

    AIで作ってみたがしっくり来ない方へ

    「形にはなったけれど、何かが違う」
    「盛り上がっているはずなのに、しっくりこない」

    そんな感覚がある場合、問題は曲そのものではなく、思いの整理や構成の部分にあることが少なくありません。

    また、
    「どんな曲にしたいかうまく言葉にできない」
    「チームの方向性がまだはっきりしていない」
    という段階でも、まったく問題ありません。

    むしろ、そうした状態から一緒に整理していくことが、よさこい楽曲制作ではとても重要です。

    ソングメーカーでは、550チーム以上の制作経験をもとに、
    対話を重ねながら方向性を明確にし、
    納得できる形になるまで調整していきます。

    修正回数に制限はありません。
    一度で決めるのではなく、少しずつ近づけていく制作スタイルです。

    もし今、
    「このままでいいのか迷っている」
    「もう一歩良くしたい」
    と感じているのであれば、ぜひ一度ご相談ください。

    一緒に整理しながら、チームにとって本当に意味のある一曲を形にしていければと思います。

    ここまで読んで、
    「自分たちの曲も、もう少しチームらしくできるかもしれない」
    と感じた方へ。

    まだイメージが曖昧でも、AIで作った曲に違和感がある段階でも大丈夫です。
    その違和感を一緒に整理することが、よさこい楽曲づくりの大切な入口になります。

    「何が違うのか、うまく言えない」
    そんな一言からでも構いません。

    チームらしい一曲の方向性を整理してみる

    コメント