
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表、兼制作者の井村淳也です。
よさこい楽曲づくりは、祭りを彩る大切な一歩です。しかし、実際の制作現場では「こんなはずじゃなかった」というトラブルが少なくありません。納期の遅れやイメージのずれ、踊りとのミスマッチなど、せっかくの熱意が空回りしてしまうケースもあります。
ソングメーカーではこれまで550曲以上を手がけ、全国各地のチームと制作を進める中で、こうしたトラブルを未然に防ぐ方法や、起きてしまった問題を乗り越えるノウハウを培ってきました。
今回は、よさこい曲制作で起こりがちな代表的なトラブルと、その解決策を実例を交えて紹介します。
よさこい楽曲制作のトラブル事例とイメージすれ違いを防ぐ実践的な対策
よくあるトラブル① イメージのすれ違い
よさこい楽曲の制作で最も多いトラブルは、「チームが思い描いていたイメージと完成した曲が違う」というすれ違いです。これは決して発注側や制作側のどちらかだけの問題ではありません。両者が頭の中で描いていた理想像が、言葉ではうまく伝わらず、制作過程で少しずつズレていってしまうのです。
たとえば、チーム代表が「力強くて勇ましい曲がいい」と言っても、人によってイメージする“力強さ”はまったく異なります。和太鼓を前面に出した重厚感を想像する人もいれば、ロックギターの鋭いリフを思い浮かべる人もいます。さらに、テンポやメロディの明るさ・暗さといった要素も、言葉では伝わりにくい部分です。
このギャップを防ぐため、ソングメーカーでは必ず初期段階で複数の参考曲を挙げてもらうようにしています。「この曲のリズム感」「この曲のサビの雰囲気」といった具体的な指示があれば、制作側も共通のイメージを持ちやすくなります。また、制作の初期段階で完成形を求めるのではなく、まずデモ音源を提示して方向性を確認するプロセスを重視しています。
実際、あるチームでは当初「伝統を感じさせる曲を」というリクエストがあり、和楽器を中心にした試作を制作しました。しかしデモ音源を聴いた踊り子たちからは「もう少し現代的でテンポの速い曲の方が踊りやすい」という声が多く上がり、方針を見直すことになりました。最終的には和楽器とエレキギターをバランスよく組み合わせたアレンジに変更し、チーム全員が納得する曲に仕上げることができました。
こうしたやり取りは、一見遠回りに見えるかもしれませんが、実は完成度を高めるうえで最も効率的です。方向性を確定しないまま制作を進めると、完成後に大幅な修正が必要になり、かえって時間とコストが増えてしまいます。
ソングメーカーでは、後払い制と無制限修正対応を基本に据えています。これは、依頼する側が安心して意見を出しやすくするための仕組みです。途中での修正をためらわず、率直なフィードバックを重ねることで、最終的に“これがうちのチームの曲だ”と思える仕上がりが実現します。
イメージのすれ違いをなくすカギは、最初から完璧を求めず、段階を踏んで共通認識を作ること。音楽は目に見えないからこそ、途中経過を共有し、対話を重ねることが成功の近道なのです。
よさこい楽曲制作 納期遅れの原因と具体的な防ぎ方
よくあるトラブル② 納期の遅れとその防ぎ方
よさこい楽曲の制作では、納期の遅れがしばしば大きなストレスになります。祭りの日程は動かせないため、締め切りに間に合わなければ練習時間が減り、踊りの完成度やチーム全体の士気にも影響します。実際に現場では、納期に関する不安が最も多い相談のひとつです。
遅れの原因はさまざまですが、特に多いのは次の2つです。
- 制作側のスケジュール調整不足
同時期に複数のチームから依頼が重なると、リソースが足りず作業が後ろ倒しになることがあります。 - 修正による想定外の時間増加
デモ音源の段階で方向性が大きく変わると、修正に伴って作業量が増え、結果として完成が遅れるケースです。
ソングメーカーでは、こうしたリスクを減らすために制作スケジュールを最初に明確化し、依頼時点でチームに共有します。特に祭りの直前シーズン(春〜夏)は依頼が集中するため、早めの相談と予約をお願いしています。
また、どうしても急ぎの案件には特急コースを用意しています。
通常は途中経過までに2〜3週間、そこから完成までにさらに1〜2週間かかることが多いのに対し、特急コースでは他の依頼を制限し優先的に作業を進めることで、途中経過を4〜5日、完成までをさらに2〜3日で仕上げます。
ただし、ここで重要なのは、修正対応による日数は短縮できないという点です。修正は踊りとのすり合わせやチームの判断に時間がかかることが多く、特急であってもこの部分は避けて通れません。そこで、ソングメーカーでは作業着手前に「修正にどのくらい日数が必要になるか」を明確にし、チームと共有したうえで進行します。
あるチームでは、祭りまで残り2週間という切迫した状況で依頼がありました。特急コースでメインの制作を短期間で進め、同時に修正点を迅速に確認・反映する体制を整えた結果、ギリギリではありましたが余裕を持って練習を開始でき、チーム代表からも「一時は間に合わないと思っていたが、本当に助かった」と感謝の言葉をいただきました。
納期トラブルを防ぐ最善の方法は、制作と修正の両方の時間を正確に見積もり、全員が同じゴールを共有することです。後払い制と無制限修正対応という仕組みは、途中で意見を出しやすくするだけでなく、チームが安心して予定通りの進行に協力できる環境を整える効果もあります。
祭り当日を最高の状態で迎えるためには、早めの相談と、見通しのあるスケジュール設計が不可欠です。納期を守ることは単なる約束ではなく、チームの練習環境と本番のクオリティを守るための第一歩なのです。
よさこい楽曲制作で踊りとのミスマッチを防ぐ方法と制作段階での連携ポイント
よくあるトラブル③ 踊りとのミスマッチを防ぐ
よさこい楽曲は、踊りと一体になって初めて力を発揮します。ところが実際の現場では、**「曲に合わせて踊りを作ったはずなのに、いざ合わせてみると動きにフィットしない」**というミスマッチが起きることがあります。これは練習のやり直しや修正に時間を取られるだけでなく、チームの士気にも影響を与えるため、避けたいトラブルのひとつです。
この問題が起こる主な原因は、次のようなケースです。
- 楽曲の構成と振付の構成がずれている
サビに入るタイミングやブレイクの小節数が、振付の構想と合わないために動きがちぐはぐになることがあります。 - テンポと踊りのリズムが合わない
曲を聞いたときには心地よいテンポでも、実際に踊ると動きが速すぎたり遅すぎたりして、練習段階で調整が必要になる場合があります。 - クライマックスの盛り上がりが踊りの見せ場と噛み合わない
曲が盛り上がる場所とフォーメーションの見せ場がずれてしまうと、観客に最も見せたい瞬間のインパクトが半減します。
ソングメーカーでは、こうしたミスマッチを防ぐために、制作の初期段階から振付との連携を重視しています。チームによっては、振付が完成する前に曲を依頼されることもありますが、その場合でも「どのタイミングで見せ場をつくるか」「踊り手の人数やフォーメーションの転換はどこで起こるか」などの情報をヒアリングし、構成を柔軟に決めていきます。
特に効果的なのが、途中経過の音源を振付師と共有しながら進める方法です。あるチームでは、初稿のテンポが少し速すぎて踊り手の動きが滑らかに見えないという課題がありました。振付の試演動画を確認したうえでテンポをわずかに下げ、リズムのアクセントを調整したところ、踊りがぐっと引き立ち、見せ場のフォーメーションも美しく決まるようになりました。
また、練習が進むにつれて「ここで一拍止めたい」「このブレイクをもう一小節延ばしたい」といったリクエストが出てくることも少なくありません。ソングメーカーでは、無制限修正対応によって、そうした現場の要望に柔軟に応えています。特にクライマックスに向けた展開は、実際に踊ってみて初めて最適な形が見えることも多く、この柔軟性が安心につながります。
踊りとのミスマッチを防ぐことは、単にタイミングを合わせるだけではなく、曲と振付が一体となって物語を語れるようにすることです。観客に感動を届けるためには、音楽が踊りを押し上げ、踊りが音楽を引き立てる関係が必要です。そのためには、制作側とチーム側が常に対話を重ね、同じゴールを共有することが欠かせません。
祭り本番で、踊りと音楽がぴたりと噛み合った瞬間、チームも観客も一体になって心が震える──その感動を生み出すための第一歩は、制作過程での丁寧なコミュニケーションにあります。
よさこい楽曲制作のトラブル総まとめ トラブルを乗り越えて安心と感動を生む制作体制
まとめ:トラブルを乗り越え、安心と感動のある楽曲制作へ
よさこい楽曲の制作は、チームの物語を形にするクリエイティブな仕事である一方、イメージのすれ違いや納期の遅れ、踊りとのミスマッチといったトラブルが起こりやすい分野でもあります。
こうした問題を防ぎ、起きてしまった場合もスムーズに乗り越えるために大切なのは、初期段階からの丁寧な対話と、柔軟に調整できる制作体制です。
ソングメーカーでは、550曲以上の実績を通じて、トラブルを減らし、チームが安心して練習と本番に臨めるような仕組みを整えてきました。
後払い制と無制限修正対応は、その象徴です。最初から完璧を求めるのではなく、試作を経て修正を重ねながらゴールに近づくことで、最終的にチームの想いに合った楽曲を仕上げることができます。
祭りの舞台で音楽が踊りを押し上げ、踊りが音楽を輝かせる──そんな瞬間を実現するために、制作の過程そのものを大切にする姿勢が、何よりも大きな成果を生むのです。
お問い合わせはお気軽にどうぞ
「納期やイメージのすれ違いが心配」「初めての発注で進め方に不安がある」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
チームの状況や祭りの日程に合わせて、最適な制作スケジュールと進め方をご提案します。



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