壮大な世界観のよさこい曲を作りたいチームの方へ|いわき聖龍会様 制作事例

よさこい曲というと、和楽器や太鼓、威勢の良い掛け声を中心にした楽曲を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、それらは祭りらしさを生み出す大切な要素です。
しかし、チームによっては「もっと大きな世界観を曲に込めたい」「活動の根源にあるテーマや物語を、観客の記憶に残る壮大な空気感で表現したい」という明確なビジョンをお持ちの場合もあります。
今回ご紹介するのは、福島県のいわき聖龍会様の制作事例です。これまで複数回にわたり楽曲制作をご依頼いただきましたが、ここでは2回目のご依頼曲「つばさ〜夢の実現へ〜」と、3回目の「天命〜時の魂〜」を中心にご紹介します。
どちらも、よさこい界では少し珍しいオーケストラ調を軸にした、非常にスケールの大きな楽曲です。
私達は楽曲にチーム活動の根源となっているテーマを組み込みたいとチーム結成当初から思い続け、その思いを表現してくれる作曲者の方をずっと探していました。
チーム結成して6年目にソングメーカーさんと出会い楽曲を手がけて頂いた事で、やっとチームカラーを表現できるようになりました。
チーム名に込めた願いや、演舞を通じて届けたいメッセージ。それらを単なるBGMではなく、チームのアイデンティティそのものとして音楽に昇華していく。いわき聖龍会様との歩みは、まさにそんな「世界にひとつだけのチームカラー」を一緒に育てていく最高のプロジェクトでした。
チームの根源にあるテーマを、音楽で表現する
よさこい曲は、単に踊りやすくて盛り上がればいいというものではありません。その奥にある「チーム活動の根源となっているテーマ」を表現したい場合、向き合うべきものは曲調や楽器の選定だけに留まりません。
そのチームが何を大切にし、どんな世界観をまとい、演舞を通じてどんな姿を観客に見せたいのか。そこを深く受け取り、ひとつの物語として音に宿す必要があります。
いわき聖龍会様は、まさにその強い熱量を持ってご依頼くださったチームでした。2回目は「苦難を乗り越えて前へ進む姿」をフルオーケストラで、3回目はそこに「神秘的なアジアンテイスト」を加えて、さらに広がりのある世界観へと挑戦を続けられました。
音楽がチームの芯となり、メンバーの皆様の練習や衣装、振付と重なり合ったとき、チームカラーはより鮮やかに開花します。制作者として、その大切な軸を任せていただけたことは本当に光栄なことでした。
制作事例:いわき聖龍会様
ここで、いわき聖龍会様の2つの制作事例をご紹介します。和楽器中心の王道スタイルとは一線を画す、壮大なオーケストラサウンドが特徴です。
2回目のご依頼:「つばさ〜夢の実現へ〜」
「人生の荒波にも負けず、前向きに生きていく船」のイメージを、管楽器や弦楽器をダイナミックに使ってフルオーケストラ調で表現。壮大な響きの中に、よさこいらしい展開の早さと勢いを組み込んだ一曲です。
3回目のご依頼:「天命〜時の魂〜」
これまでのオーケストラ調を土台にしながら、新たに「アジアンテイスト」を融合させた意欲作。鐘や笛、民族的な打楽器の鋭い音色を交えることで、独特の深みと張り詰めた緊張感を演出しています。
「つばさ〜夢の実現へ〜」|苦難を越えて前へ進むオーケストラアレンジ
いわき聖龍会様の2回目のご依頼曲「つばさ〜夢の実現へ〜」で大切にしたのは、苦しさや困難を感じさせながらも、そこから這い上がり、希望を持って先へ進んでいく力強さです。
オーケストラの響きには、こうした人間ドラマや壮大なスケール感を表現しやすい圧倒的な魅力があります。管弦楽器をふんだんに使い、音の広がりと深みを追求しました。
ただ、よさこい曲として制作する場合、単に美しい鑑賞用のクラシック曲になってはいけません。演舞曲には、踊り子の隊列移動や見せ場に連動する、明確な起伏やリズムが必要だからです。
しかし、和楽器や和太鼓を前に出した王道曲に比べると、オーケストラ調は「よさこいらしさ」のバランスが非常にシビアになります。
そのため、静かに聴かせる導入から、力強く進む中盤、そして最後に向かって一気に感情が高まる流れなど、4分前後の演舞曲としてドラマチックに場面が展開する構成を徹底。さらに、地元の民謡のメロディをオーケストラの響きの中に違和感なく溶け込ませる工夫も施しました。これにより、和楽器を多用せずともよさこいとしての芯が通った、画期的な楽曲が誕生しました。
「天命〜時の魂〜」|アジアンテイストとオーケストラの融合
3回目のご依頼曲「天命〜時の魂〜」では、前作の成功に甘んじることなく、さらなる表現の進化を目指しました。そこで取り入れたのが、オーケストラと「アジアンテイスト」の融合です。
全体の中にアジアン調の鐘や笛、打楽器の音色を織り交ぜることで、西洋の重厚なオーケストラサウンドに、東洋の神秘的で民族的な空気感をプラスしました。
ただ、音の質感がまったく異なる2つの要素を一曲の中に同居させるのは、非常に繊細なバランスが求められる作業でした。アジアンテイストを強く出しすぎれば全体のまとまりが崩れ、弱すぎれば効果が出ません。
しかし、この難易度の高いブレンドに挑んだからこそ、過去の延長線上でありながら、これまでとは全く異なる奥行きと神秘性をまとう新しい表情を作ることに成功しました。
複数回にわたりリピートでご依頼いただくからこそ、チームのこれまでの良さを100%引き継ぎつつ、その年の演舞に合わせた新鮮な驚きを音楽に込める。それこそが、制作者として最も大切にしている姿勢です。
よさこい曲にオーケストラを取り入れる難しさ
三味線や琴、尺八、和太鼓といった音色は、一瞬でお祭りらしさや和の雰囲気を演出してくれます。一方、弦楽器の広がりやブラスの力強さを活かしたオーケストラアレンジには、それらとは異なる「映画のような物語性と深み」を生み出せる強みがあります。チームの壮大なテーマを伝えるには、これ以上ない選択肢です。
ただ、よさこい曲にオーケストラを取り入れる難しさは、やはり「演舞のための音楽であることを忘れない」という一点に尽きます。格調高く仕上げようとするあまり、踊りのステップを踏むためのキレや、観客を巻き込む勢いが薄れてしまっては本末転倒だからです。
そのため、オーケストラの美しさを最大限に活かしながら、よさこいならではのリズムや場面転換のメリハリをどのように設計するか、打楽器の入れ方や民謡要素の配置を何度も細かく調整しました。
この両立の難しさを乗り越えた先に、和風の枠に囚われない、チームの想いを何倍にも巨大化させて届ける唯一無二のよさこい曲が完成するのです。
音源を聴きながら、チームのイメージを一緒に育てる
オリジナルよさこい曲の制作において、最初のご依頼時点で完成形のイメージが100%固まっているチームはほとんどいません。言葉では表現しきれなかった想いも、実際に音になったものを聴くことで初めて明確になる部分があるからです。
いわき聖龍会様からも、制作のプロセスについてこのような嬉しいお声をいただいています。
試聴をすると私達も更にイメージを膨らます事が出来ますので、新たな希望をお伝えする事も多々あります。
私達には井村さんのように無から有を生み出す事は出来ません。井村さんが作ってくれたベースがあって、初めて「あ~だ、こ~だ」と希望を言えるのです。
チームの思いを込めた楽曲を一緒に作り上げていると感じれる喜びもあり、完成した時はとても感動しました。
最初にお出しするベースの音源は、いわば「たたき台」です。そこから「ここはもっと広げたい」「この流れなら大旗をこう振れる」と、チームの皆様の中でイメージを膨らませていただくことが何より大切です。
ソングメーカーでは、制作途中の修正を単なる手直しではなく、楽曲をチームの心に100%近づけるための「一緒に育てる大切な工程」と考えています。だからこそ、途中で出てきた新しいご希望にも喜んで並走させていただきます。
3度のご依頼が示してくれた、チームカラーづくり
いわき聖龍会様が、複数回にわたってご依頼を続けてくださったことは、制作者として大きな誇りです。そして、チームの歴史と共に音楽を積み重ねていくことの素晴らしさを実感させていただきました。
練習にも例年以上に熱が入り、メンバーの結束も強まった事で、県のYOSAKOIまつりにて初の受賞をする事が出来ました。
私達は小さなチームですが、ソングメーカーさんのお力添えをいただいて印象に残る「only1」のチームを目指していきたいと思います。
初の受賞という輝かしい結果は、ひとえに皆様の血の滲むような練習と結束力があってこそのものです。ただ、その努力の真ん中で、楽曲がチームカラーを支え、メンバーを奮い立たせる一部になれたのであれば、これほど嬉しいことはありません。
大きなチームでなくても、独自のテーマと壮大な世界観を持てば、観客の心に強烈なインパクトを残す「オンリーワン」のチームになれます。いわき聖龍会様の事例は、まさに音楽の力を味方につけて、チームの歩みと表現を何年もかけて美しく積み重ねていけることを証明してくれました。
壮大な世界観のよさこい曲を作りたいチームへ
よさこい曲の表現は、決して和風の楽曲だけに限られるものではありません。オーケストラ調の圧倒的なスケール感、物語性を重視した劇的な構成など、チームが表現したい世界観に合わせて音楽の形はどこまでも自由に広げていけます。
「映画のような壮大な曲にしたい」「チーム活動の根源にある思いを音楽として形にしたい」というご希望があれば、まだ頭の中のイメージが整理しきれていない段階でも、ぜひそのまま私にぶつけてください。
テーマや使いたい言葉、過去の演舞、参考曲などを伺いながら、まずはベースとなる音源を形にします。そこから一緒に音を聴き、イメージを膨らませ、納得のいくまで修正を重ねていきましょう。チームの想いが120%演舞で伝わる、スケールの大きな最高の一曲を一緒に作り上げましょう!
壮大な世界観を、演舞で伝わる一曲にしませんか
チームのテーマや活動の根源にある思いを伺いながら、オーケストラ調、アジアンテイスト、物語性のあるよさこい曲など、演舞に合う形で制作します。まだイメージが整理しきれていない段階でも、一緒に言葉にしながら進めていきます。
