
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表兼制作者、中小企業診断士の井村淳也です。
経営者の方とお会いするたびに思うこと。
BtoB企業の場合、いかにして自社・製品やサービスの「価値」を取引先に伝えていくのかで悩んでいるケースは少なくない。
――これは診断士として多くの現場で痛感することです。
こちらは私が中小企業診断士として代表を務める、ソング中小企業診断士事務所のホームページです。

BtoB企業が抱える最大の課題のひとつは、「優れた技術や実績があるのに、想いが伝わらない」というブランド発信の難しさです。製品やサービスが専門的であればあるほど、メッセージは理屈に寄り、感情に届きにくくなります。しかし、購買や取引の意思決定には、BtoBであっても“感情”が深く関わっています。 中小企業診断士として企業支援を重ねてきた経験から言えるのは、BtoBこそ「論理で選ばれ、感情で決まる」世界だということです。そこに音楽という手段を組み合わせると、企業理念や価値観が非言語の力で相手の記憶に残り、共感を生み出すブランド体験が生まれます。 本記事では、BtoB企業が直面する発信課題を整理し、音楽を活用してブランド力を高めるための戦略を、経営とマーケティングの両面から解説します。
この記事を読むことで得られること
- BtoB企業の発信がなぜ伝わりにくいのか(論理偏重・無形性・共感不足)という構造が整理できます
- 音楽(社歌・PRソング)が理念を非言語で伝え、展示会・採用・営業で「記憶に残る体験」を生む理由が分かります
- 一本の楽曲で社内ブランディングと社外発信を同時に回し、ROIを高める実務的な使い方のイメージが持てます
まず結論:BtoBこそ、音楽は「論理の前に感情をひらくインターフェース」。社内外を一本化し、選ばれる確率を高める最短ルートです。
BtoB企業のブランド発信が難しい理由と感情設計で差をつける方法
商品・サービスが無形で専門的なため共感を得にくい現状と課題
BtoB企業の多くは、一般消費者に向けた広告を前提としないため、「誰に」「何を」伝えるかの定義が難しくなりがちです。たとえば、部品メーカー、ITシステム開発、物流・建設の請負業──いずれも高い技術力と信頼関係で成り立つ世界ですが、その価値を“感情的に伝える”機会は限られています。
製品は目に見えず、成果は数値や納期でしか測れない。結果として、BtoBの広報は技術的説明や導入実績の列挙に偏り、「専門的だけど印象に残らない」発信になってしまいます。
中小企業診断士として現場を見ていると、経営者自身が「うちは感動ではなく信頼を売っている」と話す一方で、その“信頼”をどう形にして伝えるかに苦戦しているケースが非常に多いのです。実際には、信頼こそ最も感情的な価値であり、そこをどう表現するかがブランドの核心となります。
論理中心の広報が持つ限界と感情的要素の必要性
BtoBでは営業資料や提案書、展示会での説明など、伝達の中心が常に“論理”です。機能、性能、コスト、品質──これらはもちろん重要ですが、論理情報だけでは印象に残りません。 人間の意思決定は8割以上が感情に基づくとされます。
にもかかわらず、BtoBの広報は「理解させる」ことに重きを置き、「感じさせる」設計が弱い。 これはBtoB特有の構造的問題でもあり、競合との差別化がますます困難になる要因の一つです。
たとえば、同業他社が同レベルの機能や価格を提示すれば、最終的な選定理由は「担当者への印象」や「会社の雰囲気」など、非数値的な要素に左右されます。そこを“感情設計”として意識的に取り入れられるかどうかが、BtoBブランディングの分水嶺になります。
感情的接点を作れないことが招く発信力の弱さと具体事例
企業理念や社会貢献などの発信はBtoBでも増えていますが、それを「伝わる形」に変換できている企業はまだ少数です。
たとえば理念をWebサイトに掲載しても、文字情報のままでは感情に届きにくく、社員すら自社のビジョンを語れない──そんな状況は珍しくありません。 ブランドが“印象”として根づくには、見る・聞く・感じるという多感覚的な接触が不可欠です。特に音・映像・ストーリーといった感情メディアがないまま発信を続けると、どれだけ理念が立派でも「よくある企業紹介」に埋もれてしまいます。
診断士として支援してきた企業の中でも、社歌や事業PRソングを導入してから「展示会での反応が変わった」「社員が自社を誇りを持って語るようになった」という変化が実際に見られます。これは、音楽がブランドの“感情的インターフェース”として機能した結果です。
BtoBブランド発信の課題と顧客意思決定における感情の影響
BtoBでも「好き」「信頼できる」が購買を左右する理由と実例
BtoB取引の現場では、契約金額が大きく、購買プロセスが複雑なため、「論理的な判断」で意思決定が行われているように見えます。 しかし実際には、最終判断を下すのは“人”であり、そこには必ず感情が介在します。
「この担当者となら安心して任せられる」「この会社の姿勢が信頼できる」といった印象は、提案書の数値では測れません。 心理学的にも、意思決定の約8割は感情的要因によるとされ、BtoBにおいてもこの原理は変わりません。 診断士として企業支援を行っていると、「結局、A社を選んだのは“信頼できそうだったから”」という声を経営層から頻繁に耳にします。
つまり、BtoBの世界でも“合理の前に感情がある”ということです。 ブランドが果たすべき役割とは、この「信頼・安心・好感」を体系的に生み出す仕組みを設計することに他なりません。
社員・企業文化がブランド価値を形づくる重要性と実行手法
BtoB企業では、製品やサービスよりも「人」や「文化」こそがブランドを象徴する要素になることが多くあります。 営業担当者の姿勢、顧客対応の誠実さ、現場スタッフの一体感──これらはすべて企業の価値観を体現しています。
しかし、多拠点・リモート化が進む今、こうした文化的要素を全社員で共有するのは容易ではありません。 企業文化が伝わらなければ、社員が同じブランドメッセージを発信できず、顧客との接点で一貫性が失われてしまいます。 そこで有効なのが、理念や文化を“体験化”するツールです。 音楽はその最たる例であり、理念や価値観をメロディに乗せることで、社員が自然と共通のリズムと感情を共有できる。
診断士の立場から見ると、これは単なる演出ではなく、内部ブランディングと外部ブランディングを同時に成立させる手段です。
感情の可視化と共有が生むブランド差別化の具体的効果
現代のBtoB市場では、製品性能や価格差よりも「企業の姿勢」「価値観への共感」が選定要素として注目されています。 特に、Z世代やミレニアル世代が意思決定に関与する場面が増える中で、企業が何を大切にしているかを“感情で理解できる形”にすることが求められています。
その意味で、音楽は「感情を可視化するメディア」と言えます。 理念やビジョンを歌詞にし、映像やイベントで共有することで、相手の心に“情緒的ブランド”として残る。 競合がスペックで競う中、音で理念を伝える企業は、それだけで差別化が成立します。 中小企業診断士としての経験上、ブランドの差はロゴやデザインではなく、「何を信じ、どう伝えているか」という“信念の伝え方”にあります。 その伝え方を感情的に支えるのが、まさに音楽という存在なのです。
音楽が生む感情訴求と記憶定着の効果 BtoBブランドで理念を伝える方法
音楽は理念や価値観を非言語で伝える
理念や価値観をどれだけ言葉で説明しても、それが相手の心に届くとは限りません。
BtoB企業の場合、理念が専門的な表現に偏り、社員や顧客に“共感”として届かないケースが多く見られます。 音楽は、そうした言語の壁を超えて「非言語で伝える共感メディア」として機能します。 メロディやリズムは、文化や職種を超えて感情を共有させる力を持ちます。
たとえば社歌や事業PRソングに理念や行動指針を織り込むと、社員はその歌を聴く・歌うたびに、自然と企業の価値観を思い出す。 それは「読んで理解する理念」から「感じて覚える理念」への転換であり、診断士として現場での浸透度を見ても、文字よりも音のほうが行動変容を促す力が強いことが分かります。 理念を“音”で届けることは、情報ではなく体験として残すこと──まさに、無形価値を可視化する手段なのです。
映像や展示会で一瞬に印象を残す体験型ブランド
展示会や採用イベント、オンライン説明会など、BtoB企業がブランドを発信する機会は限られています。 その中で“数秒で印象を残す”には、音楽の力が極めて効果的です。 映像やスライドに理念やキーワードを流すよりも、BGMやテーマソングがあった方が、相手の記憶に残る確率は格段に高い。 人は音と記憶を強く結びつける生き物です。 特定のメロディを聴いた瞬間に企業名やブランドカラーを思い出す──これは大手だけの戦略ではありません。 中小・BtoB企業であっても、社歌やブランドテーマ曲を持つことで、展示会・YouTube・SNSなどあらゆる接点で「統一された印象」を届けられます。 診断士として支援したある製造業では、展示会ブースで流すオリジナルPRソングを制作した結果、「音楽をきっかけに足を止めてもらえるようになった」「企業説明が感情的に伝わるようになった」と報告を受けました。
つまり、音楽は論理的な説明に感情の入口を与える“体験設計”ツールなのです。
音楽によって社員自身がブランドの語り手になる
BtoBブランドを強くするもう一つの効果が、音楽が社員を“ブランドの語り手”に変える点です。 理念やメッセージが歌として形になると、社員は自社の想いを自分の言葉として話しやすくなります。 それは単に社歌を歌うという行為ではなく、「この歌詞に自分の仕事が重なる」と感じる瞬間が増えることを意味します。
たとえば、
- 新入社員が研修で社歌を聴き、会社の歴史を感情で理解する
- 営業担当がPRソングをきっかけに、顧客に理念を説明できる
- 社内イベントで全員が一体となって歌うことで、文化的な一体感が生まれる
このようなプロセスを通じて、社員一人ひとりが“音を通じて理念を語る人”になります。 診断士として見ると、これは内部ブランディングの完成形に近い状態です。 社員が自社の理念を誇りを持って口にするようになった時、ブランドは単なる言葉ではなく「企業文化」として定着しているのです。
音楽を活用したブランド戦略の導入効果と中小企業への実務的メリット
社内ブランディングと外部発信を同時に成立させる音楽の強み
音楽を活用したブランド戦略の最大の特徴は、内部と外部の両輪を同時に回せることです。診断士として多くの中小企業を支援してきましたが、ブランド戦略が停滞する企業の多くは、社内浸透と社外発信を別の施策として分断している傾向があります。
社内では理念を共有し、社外では広告を出す──一見正しいようでいて、この間に感情の断絶が生まれます。音楽を軸にした発信では、その断絶を一気に埋めることができます。社員が誇りをもって歌えるPRソングは、同時に顧客にも響くメッセージになる。社内向けの文化づくりと社外への共感発信が一本の線でつながるのです。
経営資源の限られた中小企業にとって、1つのコンテンツで両面に効果を発揮できるのは大きな強み。音楽は、まさにそのための感情のインフラとして機能します。
採用・営業・展示会に横断的に使える音楽のROIと実務活用例
音楽のもう一つの利点は、用途の横断性にあります。診断士としても、投資対効果(ROI)の観点で見れば、音楽コンテンツほど長期的に資産価値を持つものは少ない。
たとえば一曲のPRソングを制作すれば、
- 採用ページの動画に使用できる
- 展示会ブースやオンラインセミナーで流せる
- 社内イベントや周年記念式典でも活用できる
- SNSやYouTubeで外部へのブランディングにも展開できる
このように一度制作した音楽は、あらゆる接点で企業の一貫した印象を与えるツールになります。特に中小企業の場合、ブランド発信が担当者ごとにバラつきやすい傾向にありますが、音楽を共通のテーマとして持つことで、発信の方向性を揃えやすくなるという副次的効果もあります。
数値化しにくいブランド力を体感で伝える効果と事例
ブランド力は経営指標として数値化が難しい領域ですが、音楽を使うとその成果が体感として可視化されます。社員の表情、イベント会場の雰囲気、SNSでの反応──いずれも数値化できない要素ですが、経営者が直感的に「うちの会社が変わった」と感じる瞬間があります。
診断士として現場を見てきた中でも、音楽導入後に社員の発言が前向きになった;採用面接で応募者が「ホームページの曲に感動した」と話した;取引先から「雰囲気が明るくなった」と言われた、といった事例は数多くあります。これらは売上や利益の前段階である「共感」「信頼」「好意」を生み出している証拠です。つまり音楽は、定量的指標では捉えきれないブランドの空気をつくる経営ツールといえます。
BtoB企業の音楽で伝えるブランド戦略と導入メリット|社歌 PRソングで採用と営業を強化
まとめ──BtoB企業こそ「音で伝えるブランド戦略」を
BtoB企業の多くは、「発信より品質」「感情より実績」といった意識を根強く持っています。 もちろん、製品力や信頼性こそが企業の根幹であることに変わりはありません。 しかし、それを“どう伝えるか”が変われば、企業の印象も、選ばれ方も劇的に変化します。
今の時代、BtoBであっても感情の共有を抜きにブランドを語ることはできません。 顧客も採用候補者も、取引先も、企業の「考え方」や「姿勢」に共感して動くようになっています。 その想いを、理屈ではなく音で届けることができる──それが、音楽を活用したブランディングの最大の価値です。
社歌や事業PRソングは、単なる演出ではなく、企業の“届け方”そのものを再設計するツールです。 診断士として見ても、理念の浸透・採用・営業・広報といった複数の経営課題を一手に動かせる、極めて費用対効果の高い戦略と言えます。
だからこそ、私は伝えたいのです。 BtoBこそ、音で語る時代へ。 言葉を超えて心に届くメッセージを──その第一歩として、貴社だけの「音のブランド」を、ぜひ一緒に創り上げていきましょう。



コメント