「美しき虎」で聞き比べる、アレンジの奥深さ

皆さんこんにちは!ソングメーカー代表、井村淳也です。

今日もブログをごらん下さり、ありがとうございます。

今日は、アレンジ(編曲)について。その奥深さ・可能性をお伝えできればと思います。

これまでアレンジのご依頼も多く頂いておりまして、現在330曲以上の楽曲アレンジをさせて頂きました。
多い形としては、ピアノやギターの弾き語り音源、もしくは、楽譜のみを頂き、アレンジしていきます。

そもそも「アレンジって何?」という疑問があると思います。
私の考えをお伝えします。

「作曲」と「アレンジ(編曲)」の違い・境界線を考えるとき、
「メロディラインとコード(和音)進行まで」→作曲
「それ以降の演奏する楽器、リズム、対旋律、イントロ、間奏等」→アレンジ
ではないかと捉えています。

こうしてみると、アレンジのほうがずっと作業範疇が広いようにも見えますが、音楽でもっとも大切なのは「メロディライン」だと思っていますので、作曲ももちろん、言うまでもなく音楽制作にとっては、重要なのですよね。

さてそんなアレンジですが、作業する内容が多岐にわたることもあり、とても自由です。

作曲にも言えることですが、自由なだけに可能性が多くあるんですね。

どうやって作っていくかで、出来上がりが大きく異なってきます。

例えば、楽器の選択一つ取ってみても、
「和楽器」を多めに使えばそれだけで、和風の曲っぽくなります。
「ドラム」「エレキギター」を強く出せば、ロック調の曲に。
「ピアノ(特にグランド)」「アコースティックギター」を軸にすれば、アンプラグドな落ち着いた曲調になります。

楽器以外にも、テンポ、楽曲構成、調、その他さまざまな要素がアレンジの対象となりますから、その奥深さが分かりますよね!

と、言葉で説明してもなかなか伝えるのが難しいのが、音楽でもあります。
ですから実際にその違いを聞いて頂きたいと思います。自作曲のアレンジ・セルフアレンジになります。
以前、音楽プロデュースさせていただいた静岡県浜松市H&A.のオリジナル曲
「美しき虎」
です。

これは、去年の大河ドラマ
「おんな城主 直虎」
の舞台が浜松市であることを記念に作ったものでした。
ユニットメンバーが井伊直虎になりきって歌う、凛とした強さを主題とした楽曲なのですが、オリジナル版がアップテンポで和楽器を前面に出したものであるのに対し、後からリリースした特別編曲版では、スローテンポのアコースティックな、それでいて古都をイメージした曲調としています。

言って見れば、
オリジナル版=強さ
特別編曲版=儚さ
を意識して作ったものになっています。

ここではそれぞれの「サビ~短い間奏部分」をつなげた動画をご用意しましたので、聞いてみて下さい。
画像はそれぞれのイメージから選んでみました。

両者は同じキー、大体同じのコード進行、メロディラインは同じかつ同じ楽器で演奏しています。
共通する部分も多いですが、それでも雰囲気はかなり違っているのではないでしょうか。

特に異なるのはおそらくリズムと、ドラムが良く聞こえるかどうかですね。
オリジナル版では強くリズムを刻むことで勇ましさ、強さが演出できますし、はっきりとしたリズム感も出ますので、楽曲の活力というか、存在感が大きくなります。
一方の特別編曲版は、リズム楽器は小さく、控えめになっています。
こうすることで輪郭がぼやける感じがありますが、その分、幻想的な独特のイメージを持たせることができます。
どちらも曲調はマイナー、短調ですが、それでもこれだけの違いを出すことができます。

どちらがいいか、というのは、個人的な好みの問題かと思います。
聞くときのシチュエーションにも左右されますよね。
色々な場面で楽しめる音楽の可能性は、本当に素晴らしいものだなと改めて感じます。

今回は、アレンジによって楽曲のイメージが大きく変わることをお伝えしました。

美しき虎のH&A.のPVはこちらからご覧ください。


こちらの楽曲、CDやMP3はこちらからお求めいただけます。
H&A.のオリジナル曲はこのほかにも多くありますので、興味のある方は是非チェックしてみて下さい!

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