H&A.への楽曲提供|17年以上、一緒に歩んできた音楽

H&A.への楽曲提供|17年以上、一緒に歩んできた音楽

私は、静岡県浜松市を拠点に活動するご当地アイドルユニット「H&A.」に長年楽曲提供を続けてきました。

H&A.が活動を開始したのは2008年。私が音楽制作事業(ソングメーカー)をスタートした時期と、ほぼ重なります。
それ以来、途中で長く新曲リリースまでの間が空いた時期もありましたが、H&A.のすべてのオリジナル曲を担当し、関連するアイドル楽曲を含めると、これまでの制作は50曲以上になりました。

私自身、もともとアイドルファンだったわけではありません。

けれど、キャッチーなメロディ、ポップス、ロック、ライブで映える楽曲といったH&A.に求められる音楽には、自分自身の音楽性と重なる部分が多くありました。
だからこそ一曲ずつ丁寧に考え、ユニットの個性やその時々のメンバー、浜松という地域、そしてライブで歌われる姿まで思い浮かべながら作ってきました。

当時から変わらないのは、「メンバーが変わっても受け継がれていく独特の雰囲気を大切にし、その個性を活かして魅力を引き出せる音楽を作りたい」という想いです。
最初のオリジナル曲から長い年月が経ち、メンバーも時代も変わりました。

それでも昔作った曲がライブで歌われ続け、ファンの方から「今でも好き」と言っていただき、そして2025年には7年ぶりとなる新しい楽曲を提供することができました。
私にとってH&A.への楽曲提供は、単に「アイドルソングを作った」という過去の実績ではありません。

ソングメーカーとほぼ同じ時間を歩みながら、自分自身も音楽家として成長させてもらった、かけがえのない大切な活動の一つです。

このページでは、最初のオリジナル曲から現在まで、実際の楽曲や映像とともに、H&A.と音楽を作ってきた17年以上の歩みを振り返ります。

ソングメーカーとほぼ同じ時期に始まった、H&A.との関係

H&A.との関係が始まったのは、ソングメーカーを立ち上げた時期とほぼ同じ、2008年前後でした。

私自身、静岡県で生まれ育ったこともあり、浜松という街にはもともと深い親しみがありました。
そんな地元・静岡との縁から、浜松市を拠点とするH&A.の楽曲制作に関わらせていただくことになります。

当時の私は、独立して音楽制作を仕事として始めたばかり。一方、H&A.もまた、これから活動を積み重ねていくスタートラインに立ったばかりの時期でした。

そう考えると、ソングメーカーとH&A.は、ほぼ同じ時期にそれぞれの歩みを始めたことになります。
最初からこれほど長い関係になるとは想像していませんでした。一曲の制作から始まり、新しい楽曲を作り、ライブやイベントで歌っていただく中で、少しずつ絆が続いていきました。

H&A.は浜松を拠点とするユニットであり、地域にまつわる楽曲も数多く作ってきました。私自身も楽曲制作を通して浜松について調べ、実際に足を運び、街や歴史、そこで活動する人たちとのつながりを深めていきました。

私にとって浜松は、まさに「第三のホームタウンのような街」です。
静岡で生まれた自分が、音楽を通して浜松という街と長く関わることができた――それもH&A.との楽曲制作がもたらしてくれた大切な宝物です。

そして気づけば、その関係は17年以上になりました。ソングメーカーの歴史を振り返ると、そのすぐそばには、常にH&A.の音楽がありました。

最初のオリジナルソング「JEWELRY」を任せていただいた日

H&A.に初めて作らせていただいた記念すべきオリジナルソングが、「JEWELRY」です。

今振り返ると、この一曲がH&A.との長い関係の始まりでした。
当時、初めてオリジナル曲を任せていただけることになったとき、私は「自分の良さを一番出せる楽曲を作ろう」と考えていました。

もちろん、自分の好きな音楽をそのまま押しつけるのではなく、H&A.というユニットのイメージに合わせながら、その中に自分自身の作曲やアレンジの持ち味を込めていく。
そんな気持ちで作った一曲です。

「JEWELRY」というタイトルには、最初から完成された宝石ではなく、原石が人の手によって磨かれ、やがて輝いていくというイメージを込めました。
「磨く」という言葉には、自分自身を信じて努力を続けることで、人は少しずつ輝いていけるという思いを重ねています。

曲調についても、キラキラした音色、メジャー調からサビで転調する展開、イントロや間奏のフレーズなど、当時の自分が好きだった要素を存分に詰め込みました。
まさに「私の作詞・作曲の世界観がそのまま一曲に込められた」作品です。

その後、H&A.のメンバーは何度も変わりましたが、この最初のオリジナルソングは後の世代にも大切に歌い継がれていきました。
ファンの方からも何年も経ってから「思い出深く大好きな曲」と言っていただいたことがあります。

最初の一曲がメンバーを越えて残り、ライブで歌われ続けてきたことには、今でも特別な思いがあります。

ここから、H&A.と私の17年以上にわたる音楽の歩みが始まりました。

自分の音楽性と、H&A.に求められる音楽が重なった

私はもともとアイドルファンだったわけではありません。だからH&A.への楽曲提供も、「アイドルソングが作りたい」という動機から始まったものではありませんでした。

けれど、実際に曲を作り始めてみると、H&A.に求められる音楽と、自分自身が好きで作ってきた音楽には、驚くほど多くの共通点がありました。

  • 耳に残るキャッチーなメロディ
  • 明るく勢いのあるポップス
  • エレキギターやドラムを生かしたロックサウンド
  • 聴いたあとに心が躍るメロディックな構成

「アイドルだから特別な音楽を作る」というより、自分が大切にしてきた音楽性を、H&A.というユニットのためにどう活かすか。
私にとっては、そんな感覚に近かったと思います。

たとえば「瞬間I LOVE YOU」は、H&A.の中でも特に明るく、スピード感のある一曲です。
学校を舞台にした一目ぼれのストーリーで、イントロには学校のチャイムの音を採り入れ、リズム隊をしっかり前に出した骨太なサウンドを意識しました。

当時は切なさのある曲調を得意としていたため、この底抜けに明るい「瞬間I LOVE YOU」は、自分自身の表現の幅を大きく広げるきっかけになりました。

H&A.への楽曲提供は、自分の持ち味を活かすだけでなく、H&A.のために曲を作ることで、自分自身の音楽家としての引き出しを増やしてもらった仕事でもありました。

ポップ、ロック、地域のテーマ、歴史、恋愛……さまざまなテーマに向き合いながらも、その根底にはずっと、自分らしいメロディを残してきたつもりです。
だからこそ今でも、一人のリスナーとして自分自身が大好きな曲がたくさんあります。

H&A.らしさを、音楽で作っていくプロセス

H&A.への楽曲提供で大切にしてきたのは、「自分が作りたい曲をそのまま渡すこと」ではありません。
一曲ごとに、「この曲をH&A.が歌ったときに、どう見えるか・どう聞こえるか」を徹底的に考えてきました。

ユニット全体の雰囲気、その時々のメンバーの個性、ライブでの立ち振る舞い、ファンと一緒に盛り上がれるかどうか――そうした情景まで含めて一曲を組み上げます。

以前、ファンの皆さんとお話しした際、このユニットにはメンバーが入れ替わっても失われない「固有の雰囲気・キャラクター」があることを強く実感しました。

特にH&A.は、ライブや地域イベントでのパフォーマンスが活動の中心です。
そのため、単に音源として綺麗な曲を作るだけでなく、「ステージでメンバーの魅力を最大限に引き出せるか」「ファンの心に刻まれるか」という視点が非常に重要でした。

オリジナル曲には、そのユニットの「らしさ」を形作り、歴史として蓄積していく力があります。
一曲ずつ作ることは、少しずつ「H&A.という音楽のアイデンティティ」を育てていく作業でもありました。

浜松という街と歴史を、一曲の音楽にする

H&A.への楽曲提供では、浜松という地域そのものをテーマにした楽曲も数多く制作してきました。

その代表格が「浜松においで!」です。浜松に住む女の子が、遠距離恋愛中の彼氏に街の魅力を語りかけるストーリーで、静岡らしい方言やフレーズを交えながら明るく親しみやすい楽曲に仕上げました。

また、地域の歴史を題材にした「歴史三部作」も重要なプロジェクトです。

  • 「姫ざくら」
  • 「美しき虎」(井伊直虎をテーマに、和楽器と壮大な世界観を展開)
  • 「天下の家康じゃ!」(徳川家康視点で、三味線とエレキギターを融合させた戦国ロック)

歴史について調べ、人物の生き方や時代の空気に触れながらイメージを膨らませていく作業は非常に刺激的でした。
さらに、浜松の特産品をPRするキャッチーで踊れる「うなぎいもの歌」など、多種多様な地域ソングを生み出してきました。

H&A.との楽曲制作は、単なるアイドルソングにとどまらず、「地域(浜松・静岡)の魅力や歴史、人々の思いを音楽に変えて届ける」という、地域密着の音楽制作の面白さを教えてくれました。

こちらはH&A.初のPV制作となった、ご当地ソング。浜松市の名所、中田島砂丘で撮影しています。

メンバーが変わっても、曲は歌い継がれていく

長年の活動の中で、H&A.のメンバーは何度も入れ替わりました。「JEWELRY」を最初に歌ったメンバーはもういませんが、その楽曲は今もユニットの代表曲として後輩へと受け継がれています。

曲というものは、作った瞬間だけで終わるものではありません。
最初に歌ったメンバーが卒業しても、新しいメンバーが入り、ファンが聴き続けてくださることで、その楽曲はユニットの歴史そのものになっていきます。

「自分が作った音楽が、H&A.という時間の中に残り、次の世代へと受け渡されていく」――長く楽曲提供を続けてきたからこそ味わえる、作曲家として最高に誇らしい瞬間です。

ファンの方から教えてもらった「曲が残り、育つ」ということ

楽曲制作を続ける中で、忘れられない体験があります。それは、浜松を訪れた際に長くH&A.を応援しているファンの皆さんと直接お話しさせていただいた時間です。
そこでファンの方々から、何年も前に作った曲の名前が次々と上がり、「あの曲が今でも本当に好きです」と熱い思いを伝えていただきました。

作曲している瞬間は、目の前の一曲を仕上げることに必死です。ですが、ライブで歌われ、ファンが一緒に楽しみ、思い出が重ねられることで、音楽には作り手の手を離れた新しい価値や意味が宿っていきます。

「自分の作った楽曲をずっと愛し続けてくれる人がいる。その事実が、また自分を前に進ませる」

曲は作った人だけのものではなく、歌う人、聴く人、それぞれの時間の中で大切に育っていくものであることを、ファンの皆さんから教えていただきました。

7年ぶりに手がけた、新しいH&A.の音楽(2025年)

長く新曲を作らない時期もありましたが、2025年、約7年ぶりとなるH&A.の新しいオリジナル曲を2曲制作させていただきました。

久しぶりに声をかけていただき、今のH&A.だからこそ表現できる新しい一面を目指して生み出したのが、
「お茶ロック!」「いちばんぼし」です。

「お茶ロック!」|静岡のお茶を、本格ロックサウンドで表現

「お茶ロック!」は、静岡の名産である「お茶」をテーマに、これまでのH&A.にはなかった本格的なギターロックサウンドを取り入れた楽曲です。

地域の魅力を届けるという軸はそのままに、エレキギターの力強さと耳に残るメロディで、ライブでも最高に盛り上がる一曲を目指しました。
メンバーや関係者の方と相談のうえ、お客様とのコール&レスポンスも取り入れた意欲的な作品となりました。

「いちばんぼし」|強い想いを、16ビートのグルーヴに乗せて

もう一曲の「いちばんぼし」は、H&A.としては新鮮な16ビートを採用した楽曲です。
リズムのしなやかな流れとともに、これから未来へ向かって進んでいく強い意志や情熱を歌詞に込めました。

過去の成功体験を繰り返すのではなく、「これまでのH&A.を大切にしながら、まだ誰も見たことのない新しいH&A.を見せたい」という想いで作った2曲です。

感謝の気持ちを込めた、自主制作アレンジインストゥルメンタル

2025年の新曲リリース後、私は感謝の気持ちを込めて、自主的にアレンジインストゥルメンタル楽曲を制作・公開しました。

これはクライアントからの依頼ではなく、17年以上という長い年月を一緒に歩んできてくれたH&A.へ、自分なりの感謝を音楽で形にしたものです。

単なるビジネスとしての楽曲提供を超えて、互いに成長し合い、時代を重ねてきたからこそ生まれた作品です。

17年以上、一緒に歩んできた音楽とこれから

2008年から始まったH&A.との歩みは、そのままソングメーカーの歴史でもあります。

50曲以上という楽曲数や17年という年数以上に価値があるのは、
「一つのユニットと音楽を通じて長く深く関わり、曲が世代を超えて残り、ともに成長してこられたこと」だと思っています。

H&A.の歴史の中に私の音楽があり、私の音楽家としての歩みの中にもH&A.が存在します。

これから先も、その時代・そのメンバーだからこそ生み出せる最高の一曲を、音楽を通じて届けていきたいと思っています。

今回ご紹介した4本以外にも、ソングメーカーのYouTubeチャンネルではH&A.の楽曲・映像を公開しています。

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